ニュース
京セラが車載ステレオカメラを開発、独自アルゴリズムで低コスト化:CEATEC 2015
京セラは、「CEATEC JAPAN 2015」において、開発中の先進運転支援システム(ADAS)向けのステレオカメラを披露した。軽量な独自アルゴリズムと経年劣化を補正する自動校正機能が特徴。
京セラは、「CEATEC JAPAN 2015」(2015年10月7〜10日、幕張メッセ)において、開発中の先進運転支援システム(ADAS)向けのステレオカメラを披露した。
このステレオカメラは、現在同社が展開している車載カメラモジュールや、かつて手掛けていたデジタルカメラで培った光学設計技術と、ステレオカメラで撮影した映像から距離測定を行うための視差画像を生成する独自アルゴリズムなどを組み合わせて実現した。
この独自アルゴリズムは新規に開発したもので、処理負荷が軽量なことを特徴としている。「一般的に知られているSGM(Semi-Global Matching)というアルゴリズムと比べて、処理負荷は4分の1〜10分の1に抑えられる。このためプロセッサと、ステレオカメラそのものも小型かつ安価にできる」(同社の説明員)という。
またステレオカメラは、各カメラの経年劣化などによって撮影映像が影響を受けると、正確な視差画像を取得できなくなるという課題がある。京セラのステレオカメラは、経年劣化を補正する自動校正機能を搭載することでこの課題に対応できるとしている。
その他の仕様は以下の通り。2つのカメラの間隔を示す基線長は150mm。距離測定のための処理時間による遅延は2ミリ秒で、カメラの画素数はVGA(640×480画素)、フレームレートは30fps、検知範囲(FOV)は50度となっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ≫「CEATEC JAPAN 2015」特集サイト
- スズキのステレオカメラは「アイサイト」と0.2ポイント差、違いは“熟成度”
スズキのステレオカメラ方式の運転支援システム「デュアルカメラブレーキサポート」を搭載する「スペーシア」は、JNCAPの予防安全アセスメントの評価結果が45.8点だった。同じステレオカメラ方式の運転支援システムである富士重工業の「アイサイト」搭載車両は満点の46点。この0.2点の差は小さいようで大きい。 - ディープラーニングするステレオカメラ、ソニーCMOSセンサー×Tegra K1で実現
ZMPは、ADAS(先進運転支援システム)や自動運転技術の開発向けに、ディープラーニングによって車両や歩行者などの認識を行うソフトウェアを組み込んだステレオビジョンシステムを発売する。 - ヤマハ発動機がゴルフカート向けステレオカメラを開発、高精度に歩行者を検知
ヤマハ発動機は、「第20回ITS世界会議東京2013」において、電磁誘導式ゴルフカート向けに開発中のステレオカメラを展示した。高い歩行者検知精度を武器に、ゴルフカート以外の車両の運転支援システム向けにも提案していく。 - トヨタはステレオカメラの開発を止めたのか
「レクサスLS」に採用してから約10年が経過しました。