ヤマハ発動機がゴルフカート向けステレオカメラを開発、高精度に歩行者を検知:ITS世界会議東京2013
ヤマハ発動機は、「第20回ITS世界会議東京2013」において、電磁誘導式ゴルフカート向けに開発中のステレオカメラを展示した。高い歩行者検知精度を武器に、ゴルフカート以外の車両の運転支援システム向けにも提案していく。
ヤマハ発動機は、「第20回ITS世界会議東京2013」(2013年10月14〜18日、東京ビッグサイト)において、電磁誘導式ゴルフカート向けに開発中のステレオカメラを展示した。
同社は、ゴルフ場内を自由に走行できるマニュアル式ゴルフカートや、あらかじめ定められたコース上を走る電磁誘導式ゴルフカートを販売している。開発中のステレオカメラは、電磁誘導式ゴルフカート向けで、ゴルフ場内を徒歩で移動しているゴルファーや管理スタッフなどの歩行者を検知して衝突しないようにするためのものだ。
定められたコース上を走る電磁誘導式ゴルフカートは、先行車両と衝突することはほぼないものの、乗員の前方不注意などにより歩行者と衝突してしまうことは意外と多いという。歩行者を検知するセンサーを搭載すれば、ホール間の移動を自動で行えることから、ステレオカメラの開発を始めた。最大の特徴は、「縦長形状である樹木と歩行者をきちんと見分けられるアルゴリズムを採用した」(同社)ことである。
歩行者検知のプロセスは、ステレオカメラによる撮像→レクティフィケーション(偏位修正)→エッジ検出→ステレオマッチング→信頼度による視差の選択→障害物抽出→歩行者の検知、となっている。ステレオカメラの画像処理ボードには、普及価格帯のFPGAとマイコンが搭載されている。ステレオマッチングまでの処理はFPGAで、それ以降の処理はマイコンで行うことにより、高い処理性能を実現した。ヤマハ発動機は、「歩行者検知精度が非常に高いので、ゴルフカート以外の車両の運転支援システムにも提案したい」としている。
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