トヨタはステレオカメラの開発を止めたのか
現在、トヨタ自動車は、運転支援システムを2種類に集約しようとしています。小型車向けで比較的安価な「Toyota Safety Sense C」と、中型〜大型の高級車向けが中心になるとみられる「Toyota Safety Sense P」です(関連記事:トヨタが2015年から運転支援システムを一新、高速道路では自動運転も)。
同社ははっきりとは説明していませんが、Toyota Safety Sense CのCは「Compact」を、Toyota Safety Sense PのPは「Premium」を意味していると考えられます。もちろん、高級車ブランドのレクサス向けには、Toyota Safety Sense Pを「Lexus Safety System+」として展開します。
Toyota Safety Sense Cは2015年2月発売の「カローラ」から導入を始め、現在は「ヴィッツ」や「オーリス」、新型「シエンタ」にも搭載しています。順調に採用が広がっているという印象です(関連記事:「カローラ」が予防安全性能評価で満点を獲得した意義)。
一方のToyota Safety Sense Pは、2015年8月17日に発表されたばかりの「ランドクルーザー」の改良モデルに初めて採用されました(関連記事:「ランドクルーザー」が外観を大幅変更、「世界初」機能も2つ搭載)。米国市場に投入予定のレクサスブランドの車両では、Lexus Safety System+の採用がアナウンスされていましたが、実際に市場投入された車両では、このランドクルーザーが初の事例になるでしょう。
さて、今回展開しようとしている2種類の運転支援システムですが、気になることが幾つかあります。中でも一番気になるのが、トヨタ自動車がこれまで開発を進めてきたステレオカメラの扱いです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ≫モノづくり編集のこぼれ話
- スズキのステレオカメラは「アイサイト」と0.2ポイント差、違いは“熟成度”
スズキのステレオカメラ方式の運転支援システム「デュアルカメラブレーキサポート」を搭載する「スペーシア」は、JNCAPの予防安全アセスメントの評価結果が45.8点だった。同じステレオカメラ方式の運転支援システムである富士重工業の「アイサイト」搭載車両は満点の46点。この0.2点の差は小さいようで大きい。 - 「カローラ」が予防安全性能評価で満点を獲得した意義
最近になって自動車の広告で頻繁に見かけられるようになった「ASV+」のマーク。JNCAPの「予防安全性能アセスメント」で最高クラスの評価を得たことを意味している。大幅改良された「カローラ」が2015年度に入って初のASV+を満点で獲得したが、そこには大きな意義があった。 - トヨタが2015年から運転支援システムを一新、高速道路では自動運転も
トヨタ自動車は、2015年に発売する車両から順次導入を始める運転支援システムの概要を発表した。高速道路での自動運転を可能にする機能をはじめ、これまでの車両に採用していたものを一新する内容となっている。 - 新型「レクサスLS」は“止まる”プリクラッシュを搭載、進化型自動ハイビームも
トヨタ自動車の新型「レクサスLS」は、「スピンドルグリル」の採用などの大幅な外形デザイン変更以外に、新たに搭載した先進安全システムにも注目すべきだろう。プリクラッシュセーフティシステムは、時速24マイル(約38.6km)以下であれば自動ブレーキで停車して、事故を未然に防げるようになった。