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ボーイング777X向けの新工場を名古屋に建設、ロボットを利用して自動化推進:工場ニュース
川崎重工業は、航空機製品の生産・組み立て工場である名古屋第一工場内に、ボーイング777Xを製造する工場を建設する。
川崎重工業(以下、川崎重工)は2015年9月24日、航空機製品の生産・組み立て工場である名古屋第一工場において、ボーイング777Xを製造する工場の建設に着手したことを発表した。
新工場は、名古屋第一工場北工場の敷地内に建設するもので、延床面積は約13000m2となる。2016年12月末に完成予定だという。川崎重工では、ボーイング777Xの製造において、前部胴体、中部胴体、主脚格納部、後部圧力隔壁および貨物扉を担当。自社製ロボットによる先進的生産設備、高性能センサーを適用した検査装置など、新技術を積極的に導入して自動化を推進する方針だという。
新設備としては、胴体外板(スキン)を継ぎ合わせ(スプライス)締結(孔明け・リベット留め)する装置である「新型スキン・スプライス・リベッター」や胴体部品(シアタイ)と補強部品(フレーム)を締結(孔明け・リベット留め)する装置である「新型フレーム・シアタイ・リベッター」、大口径ドリル、ロボット(大口径ドリルを保持し、胴体外板を自動穿孔するロボット)などを導入予定とし、加工能力を高める方針だ。
同社は、名古屋第一工場において1992年からボーイング777向け製品の生産を開始し、現在まで継続して操業を行っている。また、2015年3月にはボーイング787増産に向けた新工場建設を発表※)するなど、航空機向けの生産能力の増強を進めている。
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