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モーターショー化していないIFAでも感じるクルマの存在感IFA 2015リポート(3/3 ページ)

ドイツのベルリンで開催された世界最大級の家電見本市「IFA」。毎年1月に米国で開催される「International CES」が、自動車メーカーが展示を行うなどモーターショー化している一方で、家電ショーであることを強く意識するIFAはまだそうなっていない。とはいえ、そこかしこで家電との連携が重視されつつあるクルマの存在感は感じられた。

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車体の展示はマツダとメルセデス・ベンツのみ

 クルマ(車体)の展示を中心に行っていたのはマツダとメルセデス・ベンツだけだった。

 マツダは第2ホール内に「CX-3」「CX-5」「MX-5(日本名:マツダ ロードスター)」の3車種を展示していた。またMercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)は、中庭に「B200 Electric Drive」「AMG GT S」「GLC2501」の3車種を展示していた。


マツダは「CX-3」「CX-5」「MX-5」を展示(左)。中庭ではメルセデス・ベンツが「B200 Electric Drive」「AMG GT S」「GLC2501」を展示していた(クリックで拡大)

 車載情報機器(IVI)系の展示も多少あった。パイオニアのプレスカンファレンスは、ハイレゾ対応オーディオ製品の発表が中心だったが、ブースではCar PlayやAndroid Auto対応をうたうスマートフォン連動のカーナビゲーションシステムやカーオーディオの新製品を展示していた。また、Garmin(ガーミン)やTomTom(トムトム)、Harman Becker(ハーマン)といったIVIなどで知られる企業の出展もあったが、来場者の興味はスマートウォッチの方に注がれていたというのが正直なところだ。

パイオニアが展示していたカーナビゲーションシステム。さまざまなスマートフォンとの連携手段が用意されている(左)。「CarPlay」との連携例(右)(クリックで拡大)

 なおパイオニアは、IFAの会期中である2015年9月7日に、地図データ大手のHERE(ヒア)と提携したことを、IFAとは別途に発表した。ヒアは高精度地図の作成を、パイオニアは走行空間センサー「3D LiDAR」の開発を行っており、自動運転技術や高度運転支援技術必要となる高度化地図の整備/活用で連携して行く模様だ。

 冒頭でも記したように、IFAはCESのようにモーターショー化してはいない。2015年のIFAでもクルマ関連製品の出展はまばらではあったが、その一方で電気自動車やプラグインハイブリッド車の進展とともに、今後さらに家電との連携が強まっていくのは必須だ。2016年以降、クルマと家との連携がさらに進んでいることをIFAの舞台で確かめることができるだろう。

筆者プロフィール

吉岡 佐和子(よしおか さわこ)

日本電信電話株式会社に入社。法人向け営業に携わった後、米国やイスラエルを中心とした海外の最先端技術/サービスをローカライズして日本で販売展開する業務に従事。2008年の洞爺湖サミットでは大使館担当として参加各国の通信環境構築に携わり、2009年より株式会社情報通信総合研究所に勤務。海外の最新サービスの動向を中心とした調査研究に携わる。海外企業へのヒアリング調査経験多数。



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