ウェアラブル、クルマ、スマートホーム――IoTの本命はどれ?:IoT(1/3 ページ)
情報通信総合研究所は「IoT時代の最新動向と今後の展開〜クルマのICT化を中心に」と題した記者説明会を開催。「2015 International CES」の展示を事例として、近年注目を集めているIoT(Internet of Things:モノのインターネット)の最新動向について解説した。
情報通信総合研究所は2015年1月28日、「IoT時代の最新動向と今後の展開〜クルマのICT化を中心に」と題した記者説明会を東京都内で開催した。登壇したのは、同社グローバル研究グループの副主任研究員を務める吉岡佐和子氏だ。吉岡氏は、米国ラスベガスで開催された消費者向けエレクトロニクス展示会「2015 International CES」の展示を事例として、近年注目を集めているIoT(Internet of Things:モノのインターネット)の最新動向について解説した。
2015年もウェアラブルへの注目は継続
従来、CESの主役といえば家電の王様であるテレビだった。しかしここ数年、CESの話題の中心になっているのは自動車だ。また前回の2014年のCESで注目を集めたウェアラブル端末は、今回も引き続き話題となっていた。CES会場内のカンファレンスでは、2018年の米国におけるウェアラブル端末の出荷台数として、フィットネスバンドが1740万台、スマートウオッチが1580万台、スマートグラスが1700万台になるという予測も出ていたという。
吉岡氏は「ウェアラブルとは身体の情報を可視化(デジタル化)する手段であり、必要なコンテンツを最適な場所に届ける手段でもある。2014年のCESはウェアラブルの可能性に注目が集まったが、2015年のCESでは普及に向けた課題に焦点が当てられた。ウェアラブルは『身に着けられる』という意味だが、利用者にとって身に着ける動機付けがしっかりしていなければ、身に着けなくてもいいということになりかねない」と語る。
スマートウオッチについては、「メーカー側はスマートフォンの情報を表示するディスプレイとしての役割を提案しているが、ユーザーはスマートフォンの機能がそのままスマートウオッチに入ることを求めている。メーカーの意図とユーザーの期待にギャップがある状況」(同氏)と指摘した。また現時点では、「Apple Watch」待ちといった雰囲気が支配的だという。
人間の体だけでなく、通信機能を持たない従来のモノに装着するタイプのウェアラブルにも注目が集まった。単なるモノが、「Connected」かつ「Smart」になるというわけだ。後得場、自転車のペダルに組み込む「Connected Pedal」や哺乳瓶に装着する「Baby Glgl」、テニスラケットの柄に付ける「Tennis Swing Sensor」などだ。
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