最大36コアの工場制御コントローラー、PLCやCNCなどの複数作業を1台で制御可能に:FAニュース
ベッコフオートメーションは、最大で36コアプロセッサーを搭載可能な産業用PCをリリースする。さまざまな作業を各コアに割り振って活用することなどが可能となる。
ベッコフオートメーションは、産業用PCシリーズとして最大36コアのプロセッサーが搭載可能な「Many-core コントローラー(工場コントローラー)」を日本に投入する。同社のPCベース制御システム「TwinCAT」などと組み合わせて利用することで、各コアにさまざまな作業を割り振れるようになり、工場内の多くの作業を1台の工場コントローラーで制御することが可能になる。
新製品である工場コントローラー「C6670」は、Intel Xeon E5 v3ファミリーのプロセッサーを2個搭載。標準では、6コア2.4GHzモデルを搭載し、12コアとなっているが、オプションで12コア2.2GHzを搭載可能であるため、24コアに拡張できる。近日中に18コア製品も搭載可能なタイプも投入可能とし、最大で36コアまで拡張可能となる。さらに64GB RAMを標準搭載しており、最大拡張は2048GBで、高い機能拡張性が特徴となる。
PLCやCNCなどの作業制御を1台で各コアに行わせる
同社ではこの工場コントローラーを、同社のPCベース制御システムTwinCATと組み合わせて展開していく。TwinCATはPCベース制御の統合ソフトウェアで、PLCやモーション、HMIなどを1つのハードウェア、1つのソフトウェアに統合することが可能。産業用PCの高いプロセッサー能力を活用した高度な制御を行える他、それぞれの作業の影響を限定するためにコアごとに作業を割り振ることなどが可能だ。
TwinCATの最新版である「TwinCAT3.1」は、最大で256プロセッサコアに作業を割り当てることなどが可能。C6670との組み合わせにより、これらの多コアを生かした工場制御に貢献することが期待されている。
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