既に100社・1500拠点に導入、音声認識技術普及のカギは“人へのやさしさ”:ロジスティクスソリューションフェア
ハネウェルグループのヴォコレクト ジャパンは「ロジスティクスソリューションフェア2015」で、既に多くの実績を持つ音声認識による倉庫内ピッキングソリューションを披露した。
ヴォコレクトは米国で25年以上の実績を持つ音声認識ソリューションの老舗企業だ。日本に参入してから約10年になるという。現在は米国本社がハネウェルに買収され、ハネウェルグループ企業として活動を続けている。
同社が提供する音声認識ソリューション「ヴォコレクト・ヴォイス」は、音声中心型の物流ソリューションだ。紙やバーコードリーダーの代わりに音声によって指示を出すことで、円滑な倉庫内作業が行える。
ヴォコレクトの特徴は、デバイスとしての音声認識技術はもちろんだが、長く音声認識ソリューションを展開する中で積み上げたノウハウにより、ユーザーの利便性に合ったソリューションを提供できる点にある。
ヴォコレクト ジャパンで事業開発本部長を務める堀内保則氏は「音声認識技術だけであれば多くの企業で同じような技術が出てきており、差別化にはつながらなくなっている。しかし、ヴォコレクトでは長年の音声認識ソリューションの実績があり、多くのユーザーから得た知見により、本当にユーザーに役立つソリューションを提供できる」と述べる。
例えば、医薬品の倉庫内で仕分けをする時、現場の作業員が型番まで覚えている場合は少なく、さらにそれを覚えさせるトレーニングなどを行うとすると、膨大なコストがかかることになる。ヴォコレクトがこうした場合に以前導入した音声認識ソリューションでは、「黒いモノ」や「丸いモノ」など現場の作業員が判断しやすい言葉で、1次選別を行い、次に製品に貼付されているものなどで個別認識を行うというようなやり方で、コストを抑え、求める効率を発揮することができたという。
これらが評価を受け、現在は日本国内だけで100社、1500拠点で導入されるようになったという。「当初は食品関係から導入が進み現在も主力であることは変わらない。ただ徐々に業種も拡大しつつある。既に米国では保守・メンテナンス業務での活用が進んでおり、今後日本でもこの領域が伸びると見ている」と堀内氏は述べている。
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