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合成天然ゴムをバイオマスから作る、細胞設計技術で2020年代前半に実用化:タイヤ技術
イソプレンを重合して製造するポリイソプレンゴムは、天然ゴムに構造が類似することから合成天然ゴムと呼ばれている。横浜ゴムと理化学研究所、日本ゼオンは、このイソプレンをバイオマス(生物資源)から合成することに成功した。2020年代前半を目標に実用化を目指す。
横浜ゴムと理化学研究所、日本ゼオンの3者は2015年9月3日、自動車用タイヤの原料の1つであるイソプレンをバイオマス(生物資源)から合成することに成功したと発表した。2020年代前半を目標に実用化を目指す。
3者は2013年から、バイオマスから合成ゴムを作り出すための共同研究を進めてきた。研究に当たっては理化学研究所の環境資源科学研究センター(CSRS)が持つ細胞設計技術や植物科学技術が活用された。
今回の成果では、コンピュータで微生物の代謝経路をゲノムスケールで設計する「in silico代謝設計技術」を用いて人工代謝経路を設計し、イソプレンの新規合成法を発見するに至ったという。
イソプレンは、自動車タイヤに用いられる合成ゴムの1つであるポリイソプレンゴムの原料である。現在はナフサ熱分解の副生成物として工業的に生産されているが、今回の開発成果を実用化できれば石油への依存度を低減して、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素の削減に貢献できる。
またポリイソプレンゴムは、化学構造が天然ゴムに類似することから合成天然ゴムとも呼ばれている。このため、バイオマス由来のイソプレン生産は、石油への依存度を低減するだけでなく、気象条件によって生産量が変動する天然ゴムの代替原料としても期待できる。
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