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燃費が良くなるタイヤの新材料、ブリヂストンと花王が共同開発タイヤ技術(1/4 ページ)

ブリヂストンは、新たなタイヤ用ゴム材料を花王と共同開発したと発表。ブリヂストンの基盤技術「ナノプロ・テック」と、花王の界面制御技術の組み合わせにより、シリカを従来より多く含ませることのできるゴム材料の開発が可能になった。燃費性能やウェットグリップ性能を高めたタイヤの開発に貢献できるという。

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 ブリヂストンは2014年11月19日、東京都内で会見を開き、新たなタイヤ用ゴム材料を花王と共同開発したと発表した。ブリヂストンの基盤技術「ナノプロ・テック」と、花王の界面制御技術の組み合わせにより、シリカ(二酸化ケイ素)を従来より多く含ませることのできるゴム材料の開発が可能になった。この新材料を使用することで、燃費性能やウェットグリップ性能を高めたタイヤを開発できるという。


タイヤの性能向上に欠かせないシリカ

タイヤの構造(左)とタイヤの製造におけるシリカの役割(右)(クリックで拡大)出典:ブリヂストン

 一般的に自動車用タイヤの原材料であるゴム素材は、天然ゴムや合成ゴムで構成されるポリマー、カーボンやシリカなどの充てん剤、配合剤などを混ぜ合わせて作られている。充てん剤の1つであるシリカは、濡れた路面でのブレーキ性能(ウェットグリップ性能)や燃費性能に関わる材料だ。一般的には、タイヤにより多くのシリカが含まれていると、ウェットグリップ性能や燃費性能を向上させられる。


ブリヂストン 原材料開発ユニットの米本真希子氏

 会見に登壇したブリヂストン 原材料開発ユニットの米本真希子氏は「近年、環境志向が高まっており、自動車用タイヤに対してより高い性能が求められている。それに伴いタイヤの性能向上に貢献するシリカの配合量も増加傾向にある」と説明する。

 しかし、シリカには凝集しやすく親水性が高いという性質があり、疎水性が高いゴム素材とはなじみにくい。そのため、ゴム素材に配合してもシリカ同士の凝集が発生してしまい、タイヤの性能として最大限に反映させられないという課題があった。

 一般的に、こうしたシリカの凝集は分散剤を加えることで緩和する。そこでブリヂストンと花王は、より効果の高い新たな分散剤の共同開発に取り組んだ。

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