アウディが500km走れる電気自動車SUVを開発へ、LGとサムスンから電池調達:電気自動車
Audi(アウディ)は、満充電状態から500km以上走行できるSUVタイプの電気自動車を開発するために、韓国のリチウムイオン電池メーカーであるLG Chem、Samsung SDI(サムスンSDI)の2社と提携する。
Audi(アウディ)は2015年8月13日(欧州時間)、満充電状態から500km以上走行できるSUVタイプの電気自動車を開発するために、韓国のリチウムイオン電池メーカーであるLG Chem、Samsung SDIと提携すると発表した。
今回の提携において、LG ChemとSamsung SDIの2社は、アウディ向けの車載リチウムイオン電池の開発拠点と製造拠点を欧州域内に設置することになる。アウディの調達担当取締役のBernd Martens(ベルント・マルテンス)氏は「韓国のパートナー2社と協力することで、最新のリチウムイオン電池セルを欧州域内で製造するとともに、リチウムイオン電池に関する欧州の産業競力を強化することができる」と語る。
開発するSUVタイプの電気自動車は、排気ガスを出さないだけでなく、運転する喜びも得られるものになる。同社の開発担当取締役のUlrich Hackenberg(ウルリッヒ・ハッケンベルグ)氏は、「LG ChemとSamsung SDIが開発する革新的なリチウムイオン電池セルモジュールをわれわれの車両アーキテクチャに組み込んで、スポーティーさと走行距離のどちらの面でも魅力的な車両を開発できる」と述べている。
「A3 e-tron」にはパナソニック製電池を採用
アウディが販売している大容量のリチウムイオン電池を搭載する車両と言えば、プラグインハイブリッド車の「A3 e-tron」がある。A3 e-tronの電池容量は8.8kWhでパナソニック(旧三洋電機)製と言われている。
しかし電気自動車については、パナソニックの競合に当たるLG ChemとSamsung SDIをパートナーに選択することになったようだ。パナソニックは、Tesla Motors(テスラ)が米国内で建設を予定している大規模リチウムイオン電池工場「ギガファクトリー」に出資することを決めている(関連記事:パナソニックとテスラ、巨大電池工場「ギガファクトリー」の建設協力で合意)。このため、アウディが要求する欧州域内に開発拠点と製造拠点を設けるための出資にパナソニックが対応するのは難しかったもようだ。
なおアウディと提携するLG Chemはフランス国内に車載リチウムイオン電池工場を建設中である(関連記事:ルノーがLG ChemとEV用電池で提携、「ZOE」は日産製電池を採用せず)。またSamsung SDIは、2015年2月に、カナダのティア1サプライヤ・Magna International傘下でオーストリアに本拠を置くMagna Steyr(マグナ・シュタイヤー)の車載リチウムイオン電池パック事業を買収している(関連記事:サムスンSDIが車載リチウムイオン電池「パック」事業を買収した意味)。これらの欧州拠点は、今回のアウディとの提携で大きな役割を果たすとみられる。
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