訪問介護業界が電動バイクを初導入、テラモーターズの「BIZMOII」:医療機器ニュース
テラモーターズは、同社の電動バイク「BIZMOII」が、医療看護介護リハビリ生活総合サービスステーションが運営する「あわーず訪問看護リハビリステーション」の4つの拠点に導入されたと発表した。訪問看護・介護業界における電動バイクの導入は初めてだという。
テラモーターズは2015年8月7日、同社の電動バイク「BIZMOII」が、医療看護介護リハビリ生活総合サービスステーションが運営する「あわーず訪問看護リハビリステーション」の4つの拠点に導入されたと発表した。訪問看護・介護業界における電動バイクの導入は初めてだという。
訪問看護ステーションでは、利用者宅訪問の足として、自転車や電動アシスト自転車、軽自動車を使用するのが一般的だ。しかし、病状の急変により、深夜/早朝の自宅訪問が恒常的に起こるため、エンジン音が近隣に迷惑となったり、また軽自動車の場合、渋滞などによる訪問遅延が人命にかかわったりという課題があった。
今回のBIZMOIIの導入は、電動バイクのモーター走行による静粛性と、渋滞を回避できる機動力が決め手になった。「これまで法人向け電動バイクについては、『低ランニングコスト』『低い環境負荷』『ガソリン式バイクに勝るパワー』により、宅配業、新聞配達業界などでは実績があったが、訪問看護・介護業界では今回が初めての導入になる」(テラモーターズ)。2015年中に、同ステーションの全拠点(全6カ所)での購入が予定されており、他の訪問看護ステーションからの引き合いも増えているという。
BIZMOIIは、三元系正極材を用いる新開発のリチウムイオン電池パックを搭載している。容量は3168Whと一般的な電動バイクの約3倍。満充電からの走行距離は150kmと、電動バイクとしてはかなり長い。価格は43万円(税別)だ。
2025年に人口の3分の1が65歳以上になるという高齢化の進展や、病院から自宅へシフトする高齢者医療政策の方向性、「自宅で最期の時を迎えたい」というニーズもあいまって、訪問看護/訪問介護/訪問リハビリ事業者が急増していくとみられている。2014年の全国の訪問看護ステーション数は、前年比約10%増の7473カ所だった。
テラモーターズは、訪問介護業界が電動バイクの大きな市場になると見込んでいる。このため、実際に利用した看護師や機能訓練士の現場の声を踏まえ、「荒天時のためのルーフ付機種」など、業界に合わせたオプションや機能改修なども検討していくとしている。
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