ベッドの一部が分離して車いすに、パナソニックの介護向けベッド:ロボット規格の認証も取得 医療機器ニュース
パナソニックの離床アシストベッド「リショーネ」は、電動ケアベッドの一部が電動リクライニング車いすとして分離・変形する。介助する側/される側双方の負担を減らし、ベッドから車いすへスムーズに移乗できるという。
パナソニックは2014年4月16日、重度の要介護者をベッドから車いすへ移乗させるのを支援する機能を持つ離床アシストベッド「リショーネ」の受注販売を2014年6月より開始すると発表した。
高齢化の進展により、要介護の高齢者は増加。一方で、介護の担い手となる若年層が減少しつつある。介護労働力の不足は、大きな社会問題の1つ。介護現場においては、質の高いサービスを提供することはもちろん、スタッフの負担を軽減することも課題になっている。
こうした状況を改善すべく、パナソニックは介護・自立支援分野に着目。介護の中でも負担の大きなベッド−車いす間の移乗介助を支援する介護ロボットの開発を進めてきたという。
リショーネは、こうした活動の成果として商品化されたもの。電動ケアベッドと電動リクライニング車いすを融合したロボット介護機器だ(関連記事:「米国ベンチャーに負けない!!」――NEDO、生活支援ロボット実用化プロジェクトの成果を報告)。
ベッドで寝ている状態から車いすへと移動したいときは、まず介助を受ける人がスライドシートを使ってベッドの中央よりも手前の部分に移動。続いてリショーネの中央より手前の部分を分離して、車いすへと変形させる。車いすとしてリショーネを利用した後は、変形した車いすを元に戻してベッドと合体。分離・変形・合体といった操作は、直感的にできるように設計したという。
リショーネを使うことで、介助者にとっては相手を持ち上げたり支えたりする身体負担が軽減され、介助を受ける人にとっても転落するかもしれないという危険性や心理的な不安を払拭できるとしている。
さらに国際規格「ISO 13482 Robots and robotic devices - Safety requirements for personal care robot」の認証を2月に取得。「mobile servant robot」として要求される機構面・作動面などにおける安全性をクリアしたのは、リショーネが「世界初」(パナソニック)だという。
リショーネの主な仕様は次の通りである。
<ベッド(3モーター)> | |
---|---|
全長 | 2075mm |
全幅 | 1010mm |
全高 | 769〜1069mm |
ボトム長さ | 1945mm |
ボトム幅 | 890mm(車いす部含む) |
背上げ角度 | 0〜73° |
足上げ角度 | 0〜27.5° |
ボトム高さ | 400〜700mm |
キャスター径 | 100mm |
電源 | AC100V(50/60Hz) |
重量 | 126kg(車いす部含む) |
<車いす(1モーター)> | |
全長(座位状態) | 1219mm |
全幅(座位状態) | 560mm |
全高(座位状態) | 1194mm |
座面高さ | 390mm |
座面幅 | 430mm |
質量 | 30.5kg |
<共通項目> | |
使用者最大体重 | 100kg |
マットレス長さ | 1970mm |
マットレス幅 | 920mm(ベッド時)、460mm(車いす時) |
マットレス厚さ | 100mm(ウレタン3層構造) |
なお、ベッド、車いすの仕様には、マットレスは含まれていない。
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