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MRIを自動解析し、脳脊髄液の流速を計測・表示する技術を開発:医療機器ニュース
東芝は、造影剤を使わずに撮像した脳脊髄液(CSF)のMRIを自動解析し、CSFの流速を計測・表示する「CSFダイナミクス定量化技術」を開発した。これまで医師が視覚的に評価していたCSFの流速を、定量化できるようになる。
東芝は2015年6月30日、造影剤を使わずに撮像した脳脊髄液(CSF)のMRI(磁気共鳴イメージング)を自動解析し、CSFの流速を計測・表示する技術を開発したと発表した。同技術により、認知症の原因疾患の1つである特発性正常圧水頭症など、CSFに関わる疾患の診断効率化が期待できるという。
特発性正常圧水頭症などの水頭症の診断には、造影剤を使わずにCSFが体内で流れる様子(CSFダイナミクス)をMRIで可視化するTime-SLIP(Time-Spatial Labeling Inversion Pulse)法がある。しかし従来、Time-SLIP法で得た動画像を医師が観察し、CSFの流速を視覚的に評価するため、定量的な数値として表すことができなかった。
同社では、東芝メディカルシステムズ、東芝林間病院と共同で、新たに「CSFダイナミクス定量化技術」を開発。Time-SLIP動画像の画素ごとの信号変化を解析することで、CSFが存在する領域を自動的に抽出し、CSFの流速値の計測を可能にした。
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