小型車に託す、スズキ“次の百年の計”:エコカー技術(4/4 ページ)
スズキは、2015〜2019年度の中期経営計画「SUZUKI NEXT 100」を策定した。四輪車事業の中核を成すのは、国内で好調な軽自動車と、欧州の車両サイズで言うA〜Cセグメントの小型車+SUVだ。
5年間で全世界に20モデルを投入
この技術戦略を背景に、四輪車では2015〜2019年度の5年間で、全世界に20モデルの新型車を投入する。
20モデルの内訳は以下の通りだ。まず国内に投入する軽自動車は、毎年1モデルを継続投入する。5年間で5モデルとなる。次に「ソリオ」などのAセグメントは、5年間で6モデルと最も多くなる。「ジュネーブモーターショー2015」で発表した小型四輪駆動車の「iM-4」は、このAセグメントに属する。
B〜Cセグメント、SUVは、5年間でそれぞれ3モデルを投入する。Bセグメントであれば「スイフト」、CセグメントであればS-CROSS、SUVであれば「エスクード」が代表的な車両になる。
これら20モデルを拡売するのは、日本や同社が高シェアを維持するインドを中心としたアジアである。日本市場では軽自動車のシェア30%以上、小型車の年間販売台数10万台以上が目標。インドは、現地法人のマルチスズキを中心に拡大する需要を取り込み、乗用車シェアで45%以上を目指す。アセアン市場は、インドネシアとタイの生産拠点を核に、日本とインドに次ぐ柱に育成したい考えだ。欧州市場は、販売台数を追うよりも、燃費規制や安全技術、デザインへの対応を通じて、先進技術と商品力を磨くとしている。
2015年度の地域別の四輪車年間販売台数の見込みは、日本65万台、欧州21万台、アジア193万台、その他20万台で合計298万台。2019年度は、日本70万台、欧州28万台、アジア220万台、その他22万台で合計340万台を目指す。伸びをけん引するのは、インドにアセアンを加えたアジアになる。
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