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サルの大脳皮質で数の0に強く反応する細胞を発見医療技術ニュース

東北大学は、サルを用いた実験で、脳に数の0(ゼロ)に強く反応する細胞があることを発見したと発表した。同成果は、霊長類が言葉や数字記号がなくても、ゼロを認識できるということを示唆しているという。

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 東北大学は2015年5月25日、同大大学院医学系研究科の虫明元教授、将道会総合南東北病院の奥山澄人医師らの研究グループが、サルを用いた実験で、脳に数の0(ゼロ)に強く反応する細胞があることを発見したと発表した。

 ゼロは数学上特別な意味を持つ数とされるが、存在がないという意味でのゼロと、順列としてのゼロという、2つの概念があるとされる。このゼロという概念が人特有のものであるかどうかは、数の概念を理解する上で重要な問題だという。

 同研究では、モニター画面に最初に提示された白丸の数(目標数)を記憶するという数操作課題を訓練したサルで、ゼロを含む数に対する脳の神経細胞活動を調査した。例えば、最初の目標数が3、次に提示された数が1であれば、丸を増やす操作を2回行って目標数3に合わせる。また、最初の目標数が0で次に提示された数が2であれば、白丸を減らす操作を2回行い、目標数0に合わせる。サルによるこの課題の成功率は、72%だった。

 さらに、同課題を行うサルの脳から神経細胞活動を記録したところ、ゼロで強く反応する神経細胞「ゼロ細胞」が多数見つかった。これらのゼロ細胞は、ゼロ以外の数に全く応じない細胞(デジタルゼロ細胞)と、ゼロ以外に隣の数である1にも活動する細胞(アナログゼロ細胞)の2種類に分かれた。これは、人の2つのゼロ概念、「有無としてのゼロ」と「順列としてのゼロ」にそれぞれ相当し、それらの概念を表す神経細胞が霊長類にも存在することが世界で初めて明らかにされた。

 同成果は、霊長類は言葉や数字記号がなくても、ゼロを認識できるということを示唆している。今回、霊長類のゼロの認知が人の認知に近いと分かったことで、今後、霊長類研究が人のさまざまな認知能力の研究に役立つことが期待されるという。

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数の加減操作課題
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2つのゼロの概念

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