ジャガーとランドローバーの“らしさ”はデザインとエンジニアリングで表現する:ジャガーランドローバー CEO インタビュー(1/3 ページ)
日本ではラグジュアリーカーの印象が強いジャガーランドローバーだが、インドのタタ・モーターズの資本を得て経営が安定して以降、元来のテクノロジー志向を強めている。CEOを務めるラルフ・スペッツ氏に、次世代技術開発の方向性や、ジャガーとランドローバー、両ブランドの“らしさ”の表現方法などについて、自動車ジャーナリストの川端由美氏が聞いた。
テクノロジー志向が強いジャガーランドローバー
残念なことに、日本ではJaguar Land Rover(ジャガーランドローバー)は「ラグジュアリー」の印象が強い一方で、「最新テクノロジー」というイメージに乏しい。しかし本来は、テクノロジー志向が強い自動車メーカーだ。英国の経済が難しい時期から、Ford Motor(フォード)傘下だった時期にわたって足踏みせざるを得なかっただけで、インドのTata Motors(タタ・モーターズ)の資本を得て以降、早々に排気量5l(リットル)のV型8気筒エンジンを開発したり、小型スポーツカーの「Fタイプ」を世に送り出すなど、本来の姿を取り戻しつつあるように見える。
「ジュネーブモーターショー2015」の会場で、ジャガーランドローバーのCEOを務めるRalf Speth(ラルフ・スペッツ)氏にインタビューしたところ、自動車の次世代技術開発について以下のように語ってくれた。
「安全装備は、今後、よりエッセンシャルなものになっていくでしょう。ドライバーを支援するだけではなく、渋滞や駐車といった日常の課題を解決することで、ドライバーを支援する機能が必要とされていくでしょう。さらに、コネクティビディやカー・トゥ・カーも含めて、次世代の自動車技術へのアプローチを総合的に考えることが重要です」(スペッツ氏)
2014年末には、「Transparent Pillar(トランスパレント・ピラー)」と「‘Follow-Me’ Ghost Car Navigation(フォローミー・ゴースト・カーナビゲーション)」という、次世代の高度な運転支援システムのコンセプトを発表したばかり。
機能名がなかなか奮っているが、前者はピラーによる死角を解消する機能だ。具体的には、歩行者の道路横断時や追い越し車線を走る他車両などはA/Bピラーが死角になって視認しづらくなるが、トランスパレント・ミラーではピラーの背後にある光景を投影して、死角にある障害物の存在を警告する。もう一方のフォローミー・ゴースト・カーナビゲーションは、先導車の走行モデルを投影して、まるで友人のクルマが先導してくれているかのようにナビゲーションしてくれる機能だ。
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