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ジャガーとランドローバーの“らしさ”はデザインとエンジニアリングで表現するジャガーランドローバー CEO インタビュー(2/3 ページ)

日本ではラグジュアリーカーの印象が強いジャガーランドローバーだが、インドのタタ・モーターズの資本を得て経営が安定して以降、元来のテクノロジー志向を強めている。CEOを務めるラルフ・スペッツ氏に、次世代技術開発の方向性や、ジャガーとランドローバー、両ブランドの“らしさ”の表現方法などについて、自動車ジャーナリストの川端由美氏が聞いた。

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「全ての開発をインハウスで手掛ける必要はない」

 とはいえ、ジャガーランドローバーのような小規模の自動車メーカーにとって、資本や人材には限りがある。同時に、ランドローバーブランドでは小型の「イヴォーク」を投入し、ジャガーではスポーツモデルの「Fタイプ」を投入するなど、製品ラインアップを広げていることもあって、限られる開発リソースをどう配分しているのかも気になるところだ。

「実際、この数年で顧客層は広がっています。地域性を考えても、本国である英国以外に、欧州大陸、ロシア、米国、中国など、幅広い地域に対応しなければなりません。地域による違いに加えて、CO2排出量の削減や燃費規制の観点から、電動化やハイブリッド化などの課題もあります。課題は極めて複雑ですが、現実的には全ての開発をインハウスで手掛ける必要はないと考えています。多くのバリューチェーンはサプライヤがベースとなって構築されています。その一方で『ジャガーらしさ』『ランドローバーらしさ』につながるコアコンピタンスには、人も資金も投資していきます。それぞれのブランドのDNAにつながる要素として、デザインとエンジニアリングについては、ブランドごとに強固なチームを構成しています」(スペッツ氏)

 実際に、ジャガーのデザイン部門を率いるのはIan Callum(イアン・カラム)氏、ランドローバーの名物デザイナーといえばGerry McGovern(ジェリー・マクガバン)氏といった風に、両ブランドのデザインを象徴する人物の顔と名前が瞬時に浮かぶ。

イアン・カラム氏ジェリー・マクガバン氏 ジャガーのデザイン部門を率いるイアン・カラム氏(左)とランドローバーの名物デザイナーであるジェリー・マクガバン氏 出典:ジャガーランドローバー

「核となる部分の独自性を保つことはブランド力につながります。だからといって、私たちはラグジュアリービジネスをするつもりはありません。ジャガーランドローバーという自動車メーカーに対する信頼があり、揺るぎない地位があり、顧客からの高い要求に対して、ラクジュアリーカーに値する価値を提供はしますが、一方で余計な費用をお客さまに払わせるつもりはないからです」(スペッツ氏)

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