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車載Linux開発に注力するトヨタ、課題解決に向け開発体制の一本化を提案Automotive Linux Summit 2015リポート(2/2 ページ)

Linuxベースの車載情報機器関連のオープンソースプロジェクト「Automotive Grade Linux(AGL)」に関する開発者向けイベント「Automotive Linux Summit 2015」に、トヨタ自動車の村田賢一氏が登壇。AGL、Tizen IVI、GENIVIという3つの組織に分散している開発体制の一本化に向けた提案を行った。

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3つの開発組織の並立により知見が分散化

 村田氏は、3つの目的を達成できていない最大理由として、オープンイノベーションの促進で取り上げた、「Linuxベースの車載情報機器プラットフォームを開発する組織の断片化が最も大きい」と指摘する。

 2012年9月にAGLが発足した当初、「Code First(コードファースト)」アプローチを取るため、既に車載情報機器向けのLinuxプラットフォームをある程度構築していたTizen IVIを参照することを決めていた。一方、2009年3月に結成されたGENIVIアライアンスも、Tizen IVIを基にミドルウェアなどの開発を進める方針になっていた。このため、AGL、Tizen IVI、GENIVIという3つの組織は、互いに協力してLinuxベースの車載情報機器プラットフォームを開発することになったのだ。

⇒AGL、Tizen IVI、GENIVIが協力関係を結ぶ経緯を解説した記事

 だがこの体制は、各組織で進める開発プロジェクトや要件のすり合わせが困難であり、知見も分散してしまうという課題を抱えていた。

AGL、Tizen IVI、GENIVIによる車の載情報機器向けのLinuxプラットフォーム開発体制
AGL、Tizen IVI、GENIVIによる車の載情報機器向けのLinuxプラットフォーム開発体制(クリックで拡大) 出典:トヨタ自動車

 この課題を解決するために村田氏が提唱するのが開発体制の一本化である。具体的には、これまでの参照プラットフォームだった「Tizen IVI 3.0」に替えて、AGLが主導する「AGLディストリビューション」を基準プラットフォームに据える。AGLディストリビューションを策定する際には、Tizen IVI 3.0で培ったさまざまな知見が移植される。そして、このAGLディストリビューションのもとで、他分野のコードのポーティングや、エコシステムの構築を進めていきたい考えだ、

AGLが主導する「AGLディストリビューション」のもとで、開発体制を一本化する
AGLが主導する「AGLディストリビューション」のもとで、開発体制を一本化する(クリックで拡大) 出典:トヨタ自動車

 この開発体制でカギになるのはGENIVIの動向だろう。村田氏は、「AGLからGENIVIに対して、この開発体制に参加してほしいというオファーを出している」と述べる。まだ、GENIVIの参加が決定したわけではないが、AGLで当初から活動を続けてきたJaguar Land RoverのMatt Jones氏がGENIVIのプレジデントに就任したこともあり、「ポジティブな結論が出ると期待している」(村田氏)という。

⇒「Automotive Linux Summit Spring 2013」におけるJaguar Land RoverのMatt Jones氏による講演リポート

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