「ムーヴ」が軽自動車初の予防安全性能最高評価、「スマアシII」搭載:安全システム
ダイハツ工業は、改良型の運転支援システム「スマートアシストII」を搭載する「ムーヴ」が、「JNCAP」の予防安全アセスメントで最高評価となる「ASV+」を獲得したと発表した。軽自動車でASV+を獲得するのは初の事例となる。
ダイハツ工業は2015年6月1日、同年4月に発表した改良型の運転支援システム「スマートアシストII」を搭載する「ムーヴ」が、「JNCAP(Japan New Car Assessment Program)」の予防安全アセスメントで最高評価となる「ASV+」を獲得したと発表した。軽自動車でASV+を獲得するのは初の事例となる。
JNCAPは、国土交通省と自動車事故対策機構(NASVA)が行っている、国内市場で販売している自動車の安全性を評価する自動車アセスメント。2014年10月から、運転支援システムによる予防安全の効果を評価する「予防安全性能アセスメント」が加わった。
ダイハツ工業は、これまでレーザーレーダーを用いる運転支援システム「スマートアシスト」を展開していたが、搭載車両の予防安全アセスメントの評価はASV+よりも低い「ASV」にとどまっていた。
スマートアシストIIは、レーザーレーダーに加えてフロントガラス内部(ルームミラーの裏側)に単眼カメラを新たに搭載。いわゆる自動ブレーキである衝突回避支援ブレーキ機能の動作範囲を、従来の時速約4〜30kmから時速約4〜50kmに拡大した。単眼カメラを使うことで、時速約60km以上で走行している際に道路の白線を検知し、ウインカーを出さずに車線から車両がはみ出しそうになるとドライバーに警告する「車線逸脱警報機能」も加わった(関連記事:「スマアシII」は単眼カメラを追加、時速50kmまでの自動ブレーキに歩行者認識も)。
これらの機能向上により、スマートアシストIIを搭載するムーヴの予防安全性能アセスメントの評価点は、46点満点中33.6点となり、12点以上が必要なASV+に認定された。なお、従来のスマートアシストを搭載する車両の評価点は7.4〜8.2点だった。
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