鹿児島の病院が歩む、アジアNo.1女性医療機関への道のり:シーメンスがパートナーに(2/2 ページ)
鹿児島県の相良病院とシーメンス・ジャパンは、最先端の乳がん治療などを行う女性医療センターの設立・運営に関するパートナーシップの基本契約を締結した。相良病院は、シーメンスのコンサルテーションと最新の画像診断装置や治療装置を導入して2018年8月に開設する新病院により、アジアNo.1の女性医療機関となることを目指す。
乳がん手術症例数で全国第2位に
相良病院は、先述した通り、鹿児島市内に展開する社会医療法人だ。乳がんの初診外来や検診を行う「ブレストセンター」、手術などの治療を行う「相良病院」、画像診断や放射線治療を行う「さがらパース通りクリニック」、乳がん以外の診療を行う「さがら女性クリニック」と、患者の場面や状況に合わせて施設を4つ分けている。
この体制によって、女性医療、特に乳がんの診療については先進的な取り組みを進めてきた。相良氏は、「女性医療の前例を探さない。自分たちで理想とする女性医療を作るという信念がある」と語る。
独自の取り組みの1つが、乳がんになった女性の子どもの心をケアする「CLIMB(Children's Lives Include Moments of Bravery)活動」だ。また、鹿児島県に多く存在する離島やへき地への高度医療支援も行っている。これらの実績もあって、鹿児島県内の乳腺治療の約8割は相良病院が行う結果になっており、乳がんの特定領域がん診療連携拠点病院に選ばれた理由にもなっている。
さらに2015年4月には、宮崎県の医療法人ブレストピアと業務提携(事実上の経営統合)してさがらブレストピアヘルスケアグループを設立。乳がん手術症例数は、グループ全体で1002例となり、がん研有明病院に次ぐ全国第2位になっている。だからこそシーメンス・ジャパンとのパートナー提携に踏み切り、女性医療でアジアNo.1の座に向かって走り出したというわけだ。
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