スバルのPHEVコンセプト「VIZIV2」はステレオカメラによる自動運転が可能:安全システム
富士重工業は、「第84回ジュネーブ国際モーターショー」に出展するプラグインハイブリッド車(PHEV)のコンセプトカー「SUBARU VIZIV 2 CONCEPT(VIZIV2)」の概要を発表。「EyeSight」に代表されるステレオカメラを用いた自動運転技術を搭載しており、その解説映像も公開されている。
富士重工業は2014年3月4日、スイス・ジュネーブで開催される「第84回ジュネーブ国際モーターショー」(一般公開日2014年3月6〜16日)に出展するプラグインハイブリッド車(PHEV)のコンセプトカー「SUBARU VIZIV 2 CONCEPT(VIZIV2)」の概要を発表した。
VIZIV2コンセプトは、前回のジュネーブ国際モーターショーで発表しコンセプトカー「SUBARU VIZIV CONCEPT(VIZIV)」(関連記事:富士重工のプラグインハイブリッドSUV、ボクサーディーゼルと3モーターを融合)と同様に、同社の「スバル」ブランドが提供する価値である「安心と愉しさ」の1つの方向性を示したPHEVの次世代クロスオーバーコンセプトである。「VIZIV」(「Vision for Innovation」を語源とする造語、「革新のための未来像」の意)を継続して採用することにより、スバルが今後も一貫して「安心と愉しさ」を顧客に提供する大切な価値として追求する姿勢を表現している。
「レヴォーグ」と同じ小排気量直噴ターボエンジンを搭載
VIZIV2は、4人乗りのクロスオーバーSUVである。VIZIVの2ドアに対して、よりユーティリティ性の高い4ドアに変更された。外形寸法は、全長4435×全幅1920×全高1530mm、ホイールベースは2730mmで、VIZIVと比べて全長が115mm、全幅が20mm、全高が20mm、ホイールベースが90mm拡大している。
VIZIV2のプラグインハイブリッドシステムは、高トルク対応のリニアトロニックCVT(無段変速機)と、車両前部の駆動/発電兼用の1モーター、車両後部の駆動専用の独立2モーターを用いる点ではVIZIVと同じだ。ただし、エンジンについては、VIZIVが排気量2.0l(リットル)の水平対向ディーゼルエンジン「ボクサーディーゼル」を用いていたのに対して、VIZIV2では欧州だけではなく日本など多くの市場でニーズのある排気量1.6lの水平対向直噴ターボ“DIT”エンジンを採用している。この排気量1.6l直噴ターボエンジンは、2014年4月に国内市場で発売される予定の新型車「レヴォーグ」に搭載されているものと同じだ(関連記事:スバルの「LEVORG」は新開発1.6l直噴ターボを採用、フルタンクから1000km走れる)。
また、VIZIVと同様に、車両前部の1モーターと車両後部の駆動専用の独立2モーターを活用した、次世代AWD(四輪駆動)技術「リヤ独立モーター駆動タイプシンメトリカルAWD」も搭載している。運転支援システム「EyeSight」に用いているステレオカメラの活用については、走行状況に応じてエンジンとモーターの出力を緻密に制御するVIZIVの「エコクルーズモード」からさらに1段階進んで、自動運転が可能になっているという。
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