「アイサイト」がさらなる機能強化、2017年に高速道路渋滞時の自動運転を実現:自動運転技術
富士重工業は、2014年度(2015年3月期)の決算説明会において、同社の運転支援システム「EyeSight(アイサイト)」の進化の方向性を示した。2017年に高速道路の同一車線上における渋滞追従機能を実現し、2020年には車線変更を含めた高速道路における自動運転技術を導入する計画である。
富士重工業は2015年5月8日、2014年度(2015年3月期)の決算説明会において、同社の運転支援システム「EyeSight(アイサイト)」の進化の方向性を示した
同社は2014年6月に発売した「レヴォーグ」から、アイサイトの最新バージョンとなる「EyeSight(ver.3)」の採用を始めた。その後「レガシィ」「WRX S4」「インプレッサ」「XV」などに展開を広げている。
EyeSight(ver.3)は、前バージョンとなる「EyeSight(ver.2)」と比べて、先行車両との衝突回避が可能な速度差が時速30kmから50kmに向上し、赤信号や先行車両のブレーキランプなどを認識しての運転支援や、走行中の道路上の白線を認識して車線の中央を維持する「レーンキープアシスト」などの新機能が加わった(関連記事:次世代「アイサイト」は赤信号を認識できる、速度差50kmでも衝突回避が可能に)。
同社社長の吉永泰之氏は、今後のアイサイトについて「『安心と愉しさ』と追求し『世界のお客さまの命を守る』ために進化させていく」と語り、2017年に新機能を追加する方針を示した。
現在のEyeSight(ver.3)は、レーンキープアシスト機能の1つに「車線中央維持」がある。車線中央維持は、同一車線内の先行車両を認識して追従走行する「全車速追従機能付クルーズコントロール」が動作していて、時速約65km以上で走行車線両側の白線を認識している状態で走行している場合に、車線内の中央を維持するように、ステアリングの自動操舵を行う機能で、部分的な自動運転技術といえるものだ。
2017年には、全車速追従機能付クルーズコントロールや車線中央維持をさらに進化させる形で、高速道路など自動車専用道路の同一車線上における渋滞追従機能を実現する。そして2020年には、同一車線上にとどまらない、車線変更を含めた高速道路における自動運転技術を導入する計画である。
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