日本自動車部品総合研究所がデンソー基礎研究所の隣に移転、連携深める:製造マネジメントニュース
デンソーは、同社子会社で主にエコカー技術の研究開発を手掛けている日本自動車総合部品研究所を移転すると発表した。2016年4月から順次、移転および施設工事を始める。移転先はデンソー基礎研究所に隣接しており、両者の連携を深めるとしている。
デンソーは2015年4月15日、同社子会社で主にエコカー技術の研究開発を手掛けている日本自動車総合部品研究所を、現在の愛知県西尾市から、同県日進市に移転すると発表した。2016年4月から順次、移転および施設工事を始める。
今回の移転先は、デンソー基礎研究所に隣接する土地および建屋をNECから取得する。既存の建物を使用しつつ、試作・実験棟とパワートレイン実験棟を新設する計画。土地・建物の取得に伴う投資額は約60億円だ。敷地面積は5万9000m2で、延べ床面積は3万1000m2を予定している。なお、現在の敷地面積3万9000m2、延べ床面積は3万2000m2である。
日本自動車総合部品研究所では、主にパワートレイン、燃料電池、パワーエレクトロニクス、情報安全、熱システムの5分野の研究を行うとともに、先端研究を支える技術として、加工から試験・実験までを社内で行う体制を有している。今回の移転に併せて、人員の増強や設備の更新を行い、研究体制を強化する方針だ。
一方、移転によって隣接するデンソー基礎研究所では、SiC(シリコンカーバイド)デバイスに代表される次世代半導体や先端機能材料の研究を行っている。隣接することになる日本自動車部品総合研究所の高度な計測技術や解析技術を活用することで、さらに研究活動を促進できるとしている。
日本自動車総合部品研究所は、排気ガス低減と自動車の安全についての社会的要請に応えることを目的に、トヨタ自動車グループの自動車部品企業11社が出資して1970年11月に設立された。1975年5月にはトヨタ自動車も資本参加。1985年12月からは資本金を3億円から20億円に増やすとともに、デンソーとトヨタ自動車の2社出資体制になった。現在の資本金は27億円で、出資比率はデンソー75%、トヨタ自動車25%である。
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