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デンソーがSiCインバータの量産開発を2016年に開始、サイズは従来品の半分以下東京モーターショー2013

デンソーは、「第43回東京モーターショー2013」のプレスカンファレンスにおいて、次世代パワー半導体として知られるSiCデバイスを用いた小型インバータの量産開発を2016年から始める方針を明らかにした。

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デンソーのSiCパワーカード

 デンソーは、「第43回東京モーターショー2013」(2013年11月20日〜12月1日、東京ビッグサイト)のプレスカンファレンスにおいて、次世代パワー半導体として知られるSiC(シリコンカーバイド)デバイスを用いた小型インバータの量産開発を2016年から始める方針を明らかにした。

 同社社長の加藤宣明氏は、「当社はハイブリッド車や電気自動車などに搭載されるインバータについて、両面冷却技術を導入して単位体積当たりの出力密度を60%向上するなど、出力密度の向上や小型化に務めてきた。これをさらに発展させるべく、発熱の少ないSiCデバイスを用いて、両面冷却技術導入品と比べてサイズが半分以下の小型インバータの開発を検討している。現在進めている基礎的な研究を2015年までに終えて、2016年以降は小型SiCインバータの量産化に向けた開発に移行する予定だ」と語る。

左の写真はデンソーの加藤宣明氏。右の図は、デンソーにおけるインバータ開発の進化の方向性である(クリックで拡大) 出典:デンソー

 同社はこれまでに、欠陥の少ないSiCウエハーから、SiC-SBD(ショットキーバリアダイオード)、SiC-MOSFETといったSiCデバイス、そしてそれらのSiCデバイスを用いたSiCインバータの開発を進めてきた。

 SiCウエハーについては、結晶欠陥を他社比で10分の1に低減した6インチ(直径150mm)品の開発を、豊田中央研究所、昭和電工と進めている。現在SiCデバイスの研究開発で広く用いられている3インチ(直径75mm)もしくは4インチ(直径120mm)ウエハーよりも大きな6インチウエハーで高品質なものを量産できれば、SiCデバイスの価格を大幅に低減できる可能性がある(関連記事:デンソーなど3社が6インチSiCウェーハを開発、EVなどの大容量インバータに最適)。

 SiCデバイスについては、耐圧1200V/電流容量100AのSiCダイオードとSiC-MOSFETを開発済みだ。このSiC-SBDとSiC-MOSFETを用いたSiCインバータも開発しており、出力密度は60kW/l(リットル)を達成している(関連記事:デンソーが小型SiCインバータを披露、出力密度は世界最高水準の60kW/l)。

 東京モーターショー2013のSiC関連の展示では、これまでの成果とともに、耐圧1200V/電流容量100AのSiC-SBDとSiC-MOSFETを1個ずつ搭載するSiCパワーカードを展示した。このSiCパワーカードは、デンソーが既存のインバータに導入した両面冷却技術を適用可能であり、量産開発をより意識したものになっている。

デンソーのSiCパワーカード
デンソーのSiCパワーカード。左側はカットサンプルで、SiC-SBDとSiC-MOSFETを1個ずつ内蔵しているのが分かる(クリックで拡大)

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