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TNGAの新パワートレインは燃費を25%向上、モデル切替時の設備投資半減も達成製造マネジメントニュース(2/2 ページ)

トヨタ自動車は、「Toyota New Global Architecture(TNGA)」と生産分野の取り組みについて発表した。2015年から導入するTNGAの新パワートレインは、燃費を従来比25%、動力性能を15%向上できる。生産分野では、車両モデル切り替え時の設備投資を半減する目標を達成しつつあるという。

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既存工場の能力を徹底に使い切る

 生産分野での取り組みでは、「既存工場・設備の使い切り」「モデル切替時の設備投資の低減」「従来以上に競争力のある工場づくりに向けた取り組み」「生産技術分野発の『もっといいクルマづくり』の推進」の4項目を挙げている。

 1つ目の「既存工場・設備の使い切り」では、2013年からラインの汎用性を高めて、複数工場で同一車種を生産するリンク生産を進めるとともに、機械の故障や保全作業で生産を休止させる時間を極力無くすことなどに取り組んでいる。各工場のわずかな余剰能力を徹底的に使い切るなどして、工場の稼働率は世界全体の平均で、2009年の約70%から90%超まで伸びたという。

 2つ目の「モデル切替時の設備投資の低減」では、2015年に2008年比で半減させることが目標になっている。2015年は、TNGAに基づく新たなパワートレインユニットやプラットフォームの立ち上げを控えているため、一時的に設備投資額が増加する。しかし、これまでの投資低減努力が大きく寄与するため、2008年時の投資レベルを下回る見込み。また、TNGAで重視する「賢い共用化」によって、同一ライン内に複数のプラットフォームやユニットを追加で混流させられるようになるので、需要変動へのよりフレキシブルな対応や、大幅な投資低減が可能になるという。

「量を求める」工場から「競争力のある」工場へ

 トヨタ自動車は「意志ある踊り場」として工場の新設を凍結しているが、今後も工場を建設しないわけではない。そこで進めてきたのが、3つ目の「従来以上に競争力のある工場づくりに向けた取り組み」である。

 まず工場の初期投資については、2008年当時と比較して約40%低減できるめどが付きつつあるという。主な投資削減策としては、工場の天井からつったり床面を掘ったりなどして設置していた大型設備から、床に直置き可能なコンパクトな設備への切り替えや、塗装ブースの設備の小型化などがある。

 この約40%の投資低減を原資にして、エネルギーマネジメントを含め、環境にやさしい工場づくりを進め、、CO2排出量も2008年比で55%程度削減できる見込み。このような取り組みを重ねて、従来の「量を求める」工場から「競争力のある」工場づくりを目指すとしている。

 4つ目の「生産技術分野発の『もっといいクルマづくり』の推進」では、「意志ある踊り場」で取り組んできた投資低減で得られた原資を元に、成形技術の進化による高レベルの意匠の実現や、より高い溶接技術によるボディ剛性の向上など、生産技術分野における「もっといいクルマづくり」のための商品力向上に取り組んでいる。これらの取り組みから生まれた一部の技術は、既に量産車に採用されているという。



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