ルノー・日産が車両の70%を共通プラットフォームに、2020年めど:製造マネジメントニュース
Renaultと日産自動車のアライアンス(ルノー・日産アライアンス)は、2013年度のアライアンスのシナジー効果が前年度比6.7%増の28.7億ユーロ(約3990億円)になったと発表。シナジー効果の増加に大きく貢献した共通車両プラットフォーム「コモン・モジュール・ファミリー(CMF)」を、2020年までに車両の70%に導入する方針も明らかにした。
Renaultと日産自動車のアライアンス(ルノー・日産アライアンス)は2014年7月2日(欧州時間)、2013年度のアライアンスのシナジー効果が前年度比6.7%増の28.7億ユーロ(約3990億円)になったと発表した。このシナジー効果は、当該年度内に新たに実現したコスト削減や収益増などを積算したもの。過去に達成したシナジー効果は含まれないという。
28.7億ユーロのうち、Renault-Nissan Purchasing Organization(ルノー・ニッサンパーチェシングオーガニゼーション)が共同管理する購買が10.36億ユーロ、車両開発におけるプラットフォームと部品の共有化が7.14億ユーロ、パワートレインの共同開発および共用化が5.25億ユーロのシナジーを創出したとしている。
「CMF」がシナジー効果の増加に大きく貢献
シナジー効果を増やすのに大きく貢献したのが、モジュールコンセプトを採用した車両プラットフォーム「コモン・モジュール・ファミリー(CMF)」の導入である(関連記事:日産のCMFは新車の開発投資を40%削減可能、新型「エクストレイル」から導入)。CMFは、エンジンコンパートメント、コックピット、フロントアンダーボディ、リアアンダーボディ、電気/電子アーキテクチャといったモジュールを組み合わせて、ルノーと日産自動車の新型車両を低コストで開発できるようにするためのプラットフォームだ。小型車両は「CMF-A」、中型車両は「CMF-B」、大型車両は「CMF-C/D」が適用されるという。
「CMF」のイメージ。オレンジ色の部分がエンジンコンパートメント、青色の部分がコックピット、水色の部分がフロントアンダーボディ、緑色の部分がリアアンダーボディである。これら4つのモジュールをつなぐように間に挟み込まれているのが電気/電子アーキテクチャである(クリックで拡大) 出典:ルノー・日産アライアンス
CMFを適用した初めての車両は、日産自動車の北米市場向けSUV「ローグ」と欧州/日本市場向けSUV「エクストレイル」(関連記事:日産が新型「エクストレイル」を発表、「世界初」の快適走行システムを搭載)、欧州市場向けSUV「キャシュカイ」となる。これらのSUVは、CMF-C/Dを用いて開発された。
ルノーは、2015年にモデルチェンジするミニバン「エスパス」でCMF-C/Dを採用する。この新型エスパスがルノーのCMF初採用車種となる。
この他にも、2013年からCMF-Aを用いた車両の開発も進められている。この車両は、ルノー・日産アライアンスが所有するインドのチェンナイ工場で2015年から生産される予定。チェンナイ工場は、日産自動車の「マイクラ(日本名:マーチ)」などを生産している。
ルノー・日産アライアンスは、2020年までに車両の70%にCMFを採用する方針を表明している。
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