日産が新型「エクストレイル」を発表、「世界初」の快適走行システムを搭載:フランクフルトモーターショー2013
日産自動車は、「フランクフルトモーターショー2013」において、新型「エクストレイル」を発表した。SUVに求められる快適な走行性能を実現するために搭載した「世界初」(日産自動車)のシステムの解説映像も公開されている。
日産自動車は2013年9月10日(欧州時間)、開催中の「フランクフルトモーターショー2013」において、新型「エクストレイル」を発表した。米国では、新型「ローグ」として販売される。Renaultと日産自動車のアライアンス(ルノー・日産アライアンス)が共同開発したモジュールコンセプトのプラットフォーム「コモン・モジュール・ファミリー(CMF)」を用いて開発した第1弾車両となる(関連記事:日産のCMFは新車の開発投資を40%削減可能、新型「エクストレイル」から導入)。まず、従来モデルのローグの販売が好調な米国で2013年11月に発売する。価格は2万2490米ドル(約225万5000円)から。欧州では、2014年7月に販売を始める予定だ。
⇒新型「エクストレイル」の運転支援システム「エマージェンシーブレーキ」の記事はこちら
従来モデルのエクストレイルは、オフロードでの走行にも対応可能なコンパクトSUV(スポーツ多目的車)だったが、今回発表された新モデルからは市街地で快適に走行できるクロスオーバーSUVとして刷新された。また、クロスオーバーSUVである「デュアリス(欧州名:キャシュカイ)」の米国モデルとして販売されていたローグの新モデルという位置付けにもなっている。このため、エクステリアデザインは、オフロード対応SUVの幾分角ばったものから、クロスオーバーSUVらしい丸みを帯びたものに変更された。
フロントフェイスは、今後の日産ブランド車両で展開される統一デザインモチーフ「V-モーションシェイプ」を採用。フロントグリルのエンブレムを囲むようにV字のラインを入れて、そのV字に続くようにエンジンフード上をキャラクターラインがフロントガラスに向かって広がっている。ヘッドランプとリアコンビネーションランプも、統一デザインモチーフの「ブーメランシェイプ」が点灯時に際立つようになっている。
米国市場向けのローグは、摩擦損失を低減した排気量2.5l(リットル)の4気筒エンジンとエクストロニックCVT(無段変速機)を搭載。前輪駆動モデルの燃費は、高速道路モードで33mpg(約14.0km/l)となっており、従来モデルのローグから18%向上している。
世界初の技術で走行を快適に
新型エクストレイルは、SUVに求められる快適な走行性能を実現するために「世界初」(日産自動車)の2つのシステムを搭載した。「アクティブ・ライド・コントロール」は、車輪速をモニターすることで車体の上下の動きを推測して車両の制御を行い、快適な走行を実現する。もう1つの「アクティブ・エンジン・ブレーキ」は、コーナーリング中または減速時などのエンジンブレーキが必要な場合にCVTを制御して、ドライバーがあまりブレーキ操作を行わなくてもスムースに走行できる機能である。
この他、滑りやすく濡れた路面を走行する際に有効な「アクティブ・トレース・コントロール」や、坂道走行をサポートする「アップヒル・スタート・サポート(ヒルスタートアシスト)」、「アドバンスド・ヒル・ディセント・コントロール」も搭載している。
四輪駆動モデルは、従来モデルと同様に電子制御四輪駆動システム「オールモード4x4-i」を採用。同システムは、二輪駆動モードと四輪駆動モードの他、スロットル開度やエンジン回転数、トルクなどをモニタリングしながら、前後に最適なトルク配分を行うオートモードを選択できる。
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