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医療従事者の暗黙知を人工知能で生かす、まずは入院時の転倒・転落の防止から:医療ビッグデータ(3/3 ページ)
NTT東日本関東病院とUBICは、人工知能を使って電子カルテの情報を解析し、入院患者の不意の転倒やベッドからの転落などを防止することを目的にした共同研究を始めた。早ければ2015年度内にもプロトタイプシステムを導入・運用したい考えだ。
スマホアプリを使ったプロトタイプも視野に
共同研究の第1段階で一定の効果が得られるめどが立ったため、今後は第2段階に移行する。第2段階では、対象とするデータの規模をさらに大きくするとともに、第1段階で教師データの選定とスコア付けの結果判定を同じ担当者で行っていたところを、それぞれ異なる担当者で行うようにする。統計学者も参加することになるという。
第3段階では、スマートフォンアプリによって転倒・転落につながる注意力の低下や意識障害を常に把握したり、患者個別のスコアの変動も確認したりできるようなプロトタイプを開発・導入する計画だ。
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