ニュース
欧州におけるEVOH樹脂の生産能力を増強:工場ニュース
クラレは、ベルギーのエバールヨーロッパによる、EVOH樹脂「エバール」の生産能力増強を決定した。世界的な需要拡大に対応したもので、年産1万1000tを増強する。
クラレは2015年2月6日、100%出資子会社であるベルギーのエバールヨーロッパによる、EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合体)樹脂「エバール」の生産能力増強を決定したと発表した。設備投資額は約80億円で、稼働時期は2016年末を予定している。
エバールは、プラスチックの中でも最高レベルのガスバリア性を持つ機能性樹脂で、1972年に同社が世界で初めて工業化したもの。その優れたガスバリア性から、食品包装用途や自動車用ガソリンタンク用途で利用されているが、汚れ防止壁紙や床暖房用パイプ、冷蔵庫用真空断熱板などにも用途が拡大しているという。
さらに、日米欧をはじめとする先進諸国に加え、新興諸国でも需要が拡大基調にあることから、安定供給体制を維持するために、今回生産能力の増強を決定した。
現在、エバールヨーロッパのエバール年間生産能力は2万4000tで、今回の増強により1万1000tを追加する。これにより、グループ全体の年間生産能力は、クラレアメリカの4万7000tとクラレの1万tを合わせて9万2000tになる見込みだ。
FAメルマガ 登録募集中!
MONOist FAフォーラムのメールマガジンの配信を2014年7月よりスタートしました。FAニュースをはじめ、産業用ロボット、インダストリー4.0、PLCや産業用ネットワーク、制御システムセキュリティなど注目の話題をまとめてお届けしています。
ぜひ、メルマガ配信のご登録をお願い致します。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 図面が読めない人とモノづくりする“プラスチック屋”さん
モノづくり特化型クラウドファンディングサイト「zenmono」から、モノづくりのヒントが満載のトピックスを紹介する「zenmono通信」。今回は、プラスチックを使った製品開発を手掛けるテクノラボ 代表取締役 林光邦さんにお話を伺った。 - 自動車開発を革新する先進プラスチック技術
ガソリン1リットル180円超という事象に代表される際限のない原油高騰が続く中、自動車メーカーは燃費向上を目的に、車体の軽量化につながるプラスチック材料の採用を積極的に進めている。特に、耐熱性や強度などで高い機能性を持つエンジニアリングプラスチック(エンプラ)は、エンジンルーム内や駆動系、さらには外板にも利用可能なだけでなく、金属材料に比べてデザインの自由度が高く、工程簡略化につながることも大きな特徴だ。 - 「勾配」と「テーパ」の違い、ちゃんと分かってる?
設計する製品には角度を付けなければ、金型からうまく抜けない。そんな角度の表現にもいろいろあるけれど、その違い、分かっていますか? - 樹脂製品を量産するための5つのポイント
2代目社長と一緒に樹脂製品を作ろう。今回は樹脂製品を量産するために確認しておきたい5つのポイントについて解説する。