AR技術で“見えない設備”を3D表示、タブレット1台で点検作業を効率化:FAニュース
三菱電機は研究成果披露会で、タブレット端末とAR(拡張現実)技術を活用したインフラ点検システムを参考出展。タブレット端末のカメラを利用して道路を撮影すると、埋設設備に関する情報を画面上に3次元画像として合成表示させるもので、設備維持管理の効率化に貢献するという。
三菱電機は2014年2月17日、東京都内で開催した研究成果披露会で、タブレット端末とAR(拡張現実)技術を活用したインフラ点検システムを参考出展した。タブレット端末のカメラを利用して道路を撮影すると、地中の配管やマンホールといった埋設設備の3次元画像を画面上に合成表示させるもので、位置だけでなく、大きさや深さなどの数値も同時に確認できる。地上からは見えない埋設設備が確認しやすくなることで、設備維持管理の効率化に貢献するという。
3次元画像を合成する仕組みは、まずタブレット端末に搭載されているGPS(全地球測位システム)やジャイロセンサーを利用して得た位置情報をもとに、地理情報システムからタブレット端末周辺の埋設設備の位置情報や構造に関するデジタルデータを取得する。
次にタブレット端末のカメラで撮影した周辺情報の中から特徴点を検出し、取得した埋設設備のデジタルデータとの比較を行い、タブレット端末との距離/方角/カメラの視線角度を算出することで画面上に3次元画像を合成する。
「埋設されている配管は、複数が重なっていたりすることも多く、2次元の図面では正確に確認することが難しい場合も多いが、このシステムを利用すればそういった作業を大幅に効率化できる。従来こうしたインフラ点検システムは、マンホールにQRコード付きのマーカーを付ける必要があった。今回展示したシステムであれば、マーカーが無くても、タブレット端末1台だけで点検が行えるというのが大きな特徴。2015年度より実証実験をスタートさせ、2016年度以降に実用化したいと考えている」(三菱電機 説明員)。
関連記事
- モノづくりでITを乗りこなせ! 富士通がウェアラブルとバーチャル技術を提案
「CEATEC JAPAN 2014」で富士通は、仮想技術を活用した仮想モノづくりや、ウェアラブルデバイスを活用した製造・保守現場の革新提案を行った。 - 製造現場になだれ込む「モノのインターネット」と「ビッグデータ」
IoT(モノのインターネット)やビッグデータ解析の活用先としてにわかに「製造現場」への注目度が高まっている。製造業において、ICTの活用により生産性や柔軟性をもう一段高めようとするモノづくり革新の動きが活発化する一方で、これらの技術のビジネス活用を推進したいIT系企業が提案が加速。製造現場への熱気が高まっている。 - 三菱電機 名古屋製作所、FA機器快進撃の舞台裏
好調を持続する三菱電機のFA機器事業。その成長を支える主力事業所「名古屋製作所」では新たな生産棟を5月に本格稼働させる。分工場の生産性向上に向けた投資も加速させ、成長を「もう一段上に」加速させる方針だ。競争環境が厳しくなる中、成長を続ける秘訣は何があるのだろうか。名古屋製作所 所長の山本雅之氏に話を聞いた。 - 三菱電機、上下左右170°の超広視野角カラーTFT液晶モジュールを発表
上下左右170°の超広視野角を確保し、設置場所の多様化に対応した。高解像度、高輝度、高コントラスト比で、医療機器や工作機械用表示器など、幅広い用途に対応できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.