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モノづくりでITを乗りこなせ! 富士通がウェアラブルとバーチャル技術を提案CEATEC 2014

「CEATEC JAPAN 2014」で富士通は、仮想技術を活用した仮想モノづくりや、ウェアラブルデバイスを活用した製造・保守現場の革新提案を行った。

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 富士通は「CEATEC JAPAN 2014」(2014年10月7〜11日、幕張メッセ)で、ICTを活用したモノづくりの進化を提案。3D立体視技術を活用した仮想モノづくりや、ウェアラブルデバイスを活用した製造・保守現場などの出展を行った。

 富士通は以前から、「ものを作らないものづくり」として仮想技術やシミュレーション技術などのICTを活用した新たなモノづくり提案を推進。今回は、設計現場などのデザインレビューで活用する立体表示技術と、保守作業などで利用するウェアラブルデバイスを活用した作業支援などを中心に紹介した。

3D表示でリアリティのあるデザインレビュー

 設計段階で利用される3次元CADは、3Dによる直感性をさまざまな用途で利用することが期待されている。これらに3D立体視技術などを組み合わせることで、仮想空間内ではあるが、高い再現性を持って実現できる。そのため設計現場において、従来必要だった試作や手戻りを削減することが可能となる。富士通では、既に3次元CADデータと米国zSpaceの3Dディスプレイを組み合わせたソリューションを販売しているが、新たに短焦点プロジェクタを組み合わせ、より多くの人数で大きなモノを再現できるシステムを用意した。

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富士通の短焦点プロジェクターを利用したデザインレビューシステム。3D表示用に変換した映像を3Dメガネを通して見ることで、直感的に製品のデザインが理解できる(クリックで拡大)

 「従来のディスプレイタイプのシステムに比べて大きさや形など、より自由に表現できる。また多人数で同時に見ることができるため、関係者によるデザインレビューなどで活用できる」(ブース担当者)。

 同システムの製品化は、2014年度中の予定。現在は「原寸大で高精度な表示サイズを実現できるようにする点や、よりリアルな立体表示を実現する点などでチューニングを進めている」(同担当者)としている。

ウェアラブル端末による現場革新

 一方、保守・保全業務の効率化に向けた現場革新提案としては、ヘッドマウントディスプレイとウェアラブルキーボード、AR技術などを組み合わせた現場業務の改善システムを紹介した。AR技術により、あらかじめ作業現場に配置されたARコードを読み、必要な作業内容をウェアラブルデバイスに表示、さらにその結果をウェアラブルキーボードで入力する。ブースでは、自動車整備を想定し、部品を選択し、正しい位置に配置するデモを行った。既にこのソリューションは水処理関連企業であるメタウォーターと実証実験を開始しているという(関連記事:ビッグデータ分析とウェアラブルで保守業務効率化――富士通、浄水場で実証実験)。

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ヘルメットに搭載されたスマートグラスで作業現場のARマーカーを読み取り、作業内容が表示。腕のキーボード端末から入力を行う(クリックで拡大)

 現状では、実験段階ではあるが「既に多くの引き合いが来ている」(ブース担当者)という。ただ、ヘッドマウントディスプレイによる表示・認識の精度や遅延の問題、端末としての重さの問題など、いくつかの課題を抱えており「現在富士通内で端末やシステムの再設計を行っているところだ」(同担当者)という。本格的な製品モデルとして提供するのは2015年度になる見込みだとしている。

CEATEC JAPAN 2014(CEATEC 2014)

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