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インダストリー4.0とは一味違う「IoTファクトリーコントローラ」スマートファクトリー

三菱電機は、東京都内で開催した研究開発成果披露会において、工場とクラウドを安心・安全に接続できる「IoTファクトリーコントローラ」を公開。2015年度に社内などで実証実験を行い、2016年度以降に事業化を目指す製品だ。

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 三菱電機は2015年2月17日、東京都内で開催した研究開発成果披露会において、工場とクラウドを安心・安全に接続できる「IoTファクトリーコントローラ」を公開した。2015年度に社内などで実証実験を行い、2016年度以降に事業化を目指す製品だ。

 製造業における生産のグローバル化が進むことで、工場をクラウドに接続して生産管理を行うケースが増えている。さらに、全てのデバイスが通信接続されるIoT(モノのインターネット)時代には、工場内の各種生産設備の情報やセンサーデータをクラウドで解析し、最適な生産管理/品質管理を行うようになると予測されている。ドイツが推進しているインダストリー4.0や、米国のインダストリアル・インターネット・コンソーシアム(IIC)が目指す将来像でもある。

 三菱電機が提案しているFA統合ソリューション「e-F@ctory」も、工場内の機器からデータを収集し、見える化/データ分析によって、生産効率や品質の向上を図るという点では、同じ方向性を見据えた製品だ。ただしこれは1つの工場内で完結するシステムであり、クラウドを用いて複数の工場の生産管理を一括して行うといった取り組みについて明確な方向性は打ち出していなかった。

現在の工場システム(左)と「IoTファクトリーコントローラ」を使ってクラウドと連携するIoT工場システム(右)
現在の工場システム(左)と「IoTファクトリーコントローラ」を使ってクラウドと連携するIoT工場システム(右)(クリックで拡大) 出典:三菱電機

 今回発表したIoTファクトリーコントローラは、これまで明確にしていなかった、本社や複数の工場などの複数拠点を連携させたe-F@ctoryを実現するための製品となっている。まず、クラウドと工場を安全に接続できるように、データ通信や機器認証に暗号技術を適用した。次に、工場側で得られるセンサーデータの量が増える場合でも、処理ユニットの増設によって「スケーラブルに」(同社)センサーデータを収集できるようにした。そして、クラウド経由で工場内の各機器にアクセスする範囲を設定できる機能も搭載した。従業員ごとにアクセス範囲を設定するだけでなく、メンテナンスを行う各メーカーが接続可能な設備を登録することによるアクセス制限も可能だ。

 IoTファクトリーコントローラは、同社のシーケンサ「MELSECシリーズ」に接続する処理ユニットで、クラウドとの接続を担う「クラウド接続ユニット」と、工場の生産設備からのデータを収集する「データ収集ユニット」から構成されている。センサーデータ収集の規模を増やしたい場合には、データ収集ユニットを複数装着すればよい。

「IoTファクトリーコントローラ」のデモの様子「IoTファクトリーコントローラ」のデモの様子 左側の写真は「IoTファクトリーコントローラ」のデモの様子。写真内左側がロボットを1台使用するライン1で、同右側がロボットを2台使用するライン2。右側の写真のように、これらのラインの情報をクラウドを経由して本社などで管理できる(クリックで拡大)

 同社の説明員に、インダストリー4.0とIoTファクトリーコントローラの違いについて聞いたところ、「インダストリー4.0では、工場から得られるセンサーデータをとにかく収集してクラウドに上げて分析するという考え方に近い。一方、IoTファクトリーコントローラでは、必要とされるであろうセンサーデータを絞り込んでクラウドに上げるという点で異なっている」と述べている。

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