放熱性を高めた、電源制御用インバーター向けの絶縁回路基板:FAニュース
三菱マテリアルは、放熱性を高めた絶縁回路基板「Cu放熱板一体型DBA基板」を開発した。同社製DBA基板にCu放熱板を直接接合するため、従来品と比べて接合部の熱抵抗を大幅に低減した。
三菱マテリアルは2015年1月28日、放熱性を高めた絶縁回路基板「Cu放熱板一体型DBA基板」を開発したと発表した。ハイブリッド自動車などに使用される、高出力モーターなどの電源制御用インバーターに向ける。
Cu放熱板一体型DBA基板は、同社製DBA(Direct Bonded Aluminum)基板に、銅(Cu)放熱板を直接接合した構造を採用。従来は放熱板をはんだで絶縁回路基板に接合したものが一般的だったが、はんだは熱伝導率が低く、接合部の厚み(約300μm)で熱抵抗が発生するため、放熱特性の向上が困難とされていた。今回、はんだを介さず直接接合することで、従来品と比べて接合部の熱抵抗を大幅に低減したという。
融点の低いはんだ材を接合部に用いないため、SiC(炭化ケイ素)素子などの高温半導体を用いたパワーモジュールにも対応できる。Cu放熱板とセラミックス基板との間に接合した高純度アルミニウム層が、冷熱サイクルによる熱応力を緩和するため、セラミックス基板の割れを防止できるとしている。
厚Cu付きDBA基板にCu放熱板を直接接合した構造では、下側にCu放熱板を接合し、上下のバランスを調整することで、温度依存の反りを大幅に低減したとのことだ。
FAメルマガ 登録募集中!
MONOist FAフォーラムのメールマガジンの配信を2014年7月よりスタートしました。FAニュースをはじめ、産業用ロボット、インダストリー4.0、PLCや産業用ネットワーク、制御システムセキュリティなど注目の話題をまとめてお届けしています。
ぜひ、メルマガ配信のご登録をお願い致します。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「熱する・溶かす・流す」はんだ付けの極意
今回は、はんだ付けの手順・ポイントを紹介しながらプリント基板に部品を取り付け、「H8Tiny-USB」を完成させる。 - 量産現場における基本的な認識(3)ボイド対策
はんだ付けに用いるリフロー炉の操作方法や、実装ラインの品質を管理する現場の人材育成の手法を解説する本連載。今回は、ボイド対策について紹介する。 - マイクロマウス組み立てキットによる電子工作のイロハ
小さくて賢いロボット「マイクロマウス」の製作にチャレンジする北上くんとえみちゃん。今回は、マイクロマウスの組み立てキット「Pi:Co Classic」の電子工作にチャレンジする! はんだ付け(ほぼ)初体験のえみちゃんの運命やいかに!? - 量産現場における基本的な認識(2)
はんだ付けに用いるリフロー炉の操作方法や、実装ラインの品質を管理する現場の人材育成の手法を解説する本連載。今回は、言われたことに対して何の疑問も抱かない現場への警鐘から、基板不良の判定事例、フローにおけるブリッジ改善事例について紹介する。