ニュース
文字通りのウェアラブル、人の動きを検知する繊維:ウェアラブル
帝人は関西大学と共同で、動きを生地でデータ化する「圧電ファブリック」を開発した。着用するだけで、動きをデータ化する事が可能だ。
帝人は2015年1月8日、同社と関西大学 システム理工学部 田實佳郎 教授と共同で、動きを生地でデータ化する「圧電ファブリック」を開発したと発表した。同年1月14日から開催される「第1回 ウェアラブルEXPO」に展示する。
圧力を加えると電気エネルギーを発生させ、逆に電気エネルギーを加えると伸縮する特性を持つ物質である「圧電体」はセンサーやアクチュエータに用いられている。帝人と関西大学は2012年に柔軟性や透明性を有する圧電フィルムを開発しており、その技術を応用することで、繊維を用いた「圧電ファブリック」(ファブリックとは布、生地の意味)を開発した。
開発された圧電ファブリックは圧電体にポリL乳酸繊維、電極に炭素繊維を使用することでセンサーへの使用を可能としており、「平織」「サテン」「綾織」の3タイプ。平織は「曲げ」、サテンは「ねじり」、綾織は「曲げ」「ねじり」「ずり」といった3次元方向の感知を行える。生地としては3タイプだが、織り方や編み方は数百にも及ぶことから、変位や感知したい方向に合わせての設計が可能であり、「着用するだけで、動きをデータ化する」という使い方が可能となる。
同社では「人の動きを精緻に再現することにより、これまで成し得なかったセンシング技術を確立し、インターネット上でモノをコントロールするIoT(Internet of Things)社会の進化に貢献していきます」としている。
関連記事
- ウェアラブル:「先制医療」実現目指し、JINSとオムロンヘルスケアが共同プロジェクト
JINSブランドを展開するジェイアイエヌと、体組織計などを製造するオムロンヘルスケアがジェイアイエヌのウェアラブルデバイス「JINS MEME」をベースにした、「先制医療」実現を目指した取り組みを開始する。 - 組み込み開発ニュース:国内ウェアラブル市場はApple Watchが先導、市場は2020年に700万台規模へ
腕時計型やメガネ型のウェアラブル端末が日本国内でも本格投入される2015年、国内での端末出荷台数は2014年比で2倍以上の300万台を越え、2020年には700万台に迫るとの調査結果が発表された。 - IoT観測所(4):インテルやサムスンらが主導するIoT標準化団体「OIC」の狙い
IoTは単一企業だけでは完結しないため、各社は業界団体に加入、あるいは組織して対応しようとしている。インテルなどが主導する「Open Interconnect Consortium」はIoTの範囲を非常に広大なものとしており、2015年1月のCESで何らかの発表を行う可能性がある。 - ウェアラブル:地域情報をGoogle Glassにプッシュ配信、NTTレゾナントが実証実験
ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントが、Google Glassを利用した位置情報活用ニュース配信の実証実験を行う。 - 組み込み開発ニュース:2メートル先に16インチ、ソニーが40gのアイウェア向けディスプレイモジュール
ソニーがウェアラブル(アイウェア)端末向けの片目用ディスプレイモジュールを開発した。本体は約40gと軽量で既存のメガネやサングラスに装着可能。2メートル先に16インチの映像を投影する「サブディスプレイ」として利用できる。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.