「Snapdragon」のコンセプトカーはキャデラック+Andoridとマセラティ+QNX:2015 CES
Qualcomm(クアルコム)は、「2015 International CES」において、車載情報機器向けプロセッサ「Snapdragon 602A」など同社の車載半導体を用いたコンセプトカーを出展すると発表した。
Qualcomm(クアルコム)は2015年1月6日(米国時間)、消費者向けエレクトロニクスの総合展示会「2015 International CES」(2015年1月6〜9日、米国ネバダ州ラスベガス)において、車載情報機器向けプロセッサ「Snapdragon 602A」など同社の車載半導体を用いたコンセプトカーを出展すると発表した。
同社は前回の「2014 International CES」において、車載情報機器向けプロセッサであるSnapdragon 602Aを筆頭に、Snapdragon 602Aのチップセットとして用いるLTEモデムIC「Gobi 9x15」、802.11acに対応するWi-Fiチップ「QCA6574」、Bluetooth LE 4.0に対応するモジュールなどを発表している(関連記事:クアルコムが車載情報機器向けプロセッサ市場に参入、LTEモデムの実績を生かす)。今回出展するコンセプトカーはこれらの車載半導体をより分かりやすい形でデモンストレーションするためのものだ。
出展するコンセプトカーは2台ある。1台は、General Motorsの「Cadillac XTS」をベースにしており、ヘッドユニットに組み込む車載情報機器と、メーター部に組み込むデジタルクラスタのプラットフォームにAndroidを採用した。Androidのバージョンは最新の5.0(Android L)と4.4(Kit Kat)に対応している。車載情報機器は、カーナビゲーションや音楽再生だけでなく、LTE通信を用いたモバイル放送「LTEブロードキャスト」によるストリーミングを楽しめる。AllSeen Allianceが提供しているオープンソースフレームワーク「AllJoyn」を用いた、乗員ごとのパーソナライズも可能になっている。
もう1台のコンセプトカーは、Maserati(マセラティ)の「Quattroporte GTS」がベースで、QNX Software SystemsのリアルタイムOS「Neutrino」や車載情報機器向けプラットフォーム「QNX CAR」を採用している。デジタルクラスタは、衝突警告や自動駐車機能などの運転支援システムに関する表示が可能で、スマートフォンとの連携が可能なヘッドユニットの車載情報機器で3Dナビゲーションを行える。後席のリヤシートエンタテインメントシステムはタッチ操作と音声認識に対応する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- クアルコムが車載情報機器向けプロセッサ市場に参入、LTEモデムの実績を生かす
スマートフォンやタブレット端末向けプロセッサで高シェアを握るQualcomm(クアルコム)が、ついに車載情報機器向けプロセッサ市場への参入を決めた。2014年1〜3月期には、「Snapdragonオートモーティブ開発プラットフォーム」をサンプル提供する計画である。 - クアルコムとIHIが見据えるEV向けワイヤレス充電の未来
第1回のWiTricityに引き続き、電気自動車(EV)向けワイヤレス充電の有力企業であるクアルコム、IHIに取材を行った。果たして彼らはライバルなのか、協業できる関係なのか。次に打つ手は何なのか。その核心に迫った。 - クアルコムがEVスポーツカーを披露、効率90%のワイヤレス充電システムを搭載
スマートフォン向けプロセッサで知られるクアルコムが、「オートモーティブ ワールド2013」に初出展。同社の電気自動車(EV)向けワイヤレス充電システム「Qualcomm Halo」を搭載するEVスポーツカー「Delta E-4 Coupe」を展示した。 - クアルコムがEV技術に注力、ロンドンを無線充電都市に変える
携帯電話機の無線充電はごく当たり前の技術に育ってきた。クアルコムは英国の政府機関と協力して、携帯電話機の次に、EVの無線充電にも取り組む。50台のEVを使って商用化を前提とした実験を開始する。