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トヨタが2015年から運転支援システムを一新、高速道路では自動運転も:安全システム(5/5 ページ)
トヨタ自動車は、2015年に発売する車両から順次導入を始める運転支援システムの概要を発表した。高速道路での自動運転を可能にする機能をはじめ、これまでの車両に採用していたものを一新する内容となっている。
マツダに続きLEDアレイ方式ヘッドランプを採用
LEDアレイAHSは、複数のLEDを一列に配置したLEDアレイを使って、各LEDを独立制御することにより、先行車両や対向車両を眩惑することなく、従来型のLEDヘッドランプよりも広範囲に光を照射できるヘッドランプである。LEDアレイ方式のヘッドランプは、マツダが2015年1月に改良する「CX-5」と「アテンザ」に採用する「アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)」にも採用されている(関連記事:マツダが新世代ヘッドランプを披露、LEDアレイの採用で自動ハイビームが進化)。
LEDアレイAHSも、通常のAHSと同じ単眼カメラを用いて先行車両や対向車両の存在を検知する。通常のAHSの場合、ハイビームをロービームに切り替えるわけだが、LEDアレイAHSでは先行車両や対向車両だけ光が当たらないようにLEDアレイの点灯を制御する。
この他、走行速度に合わせた配光制御も行う。時速15〜40kmでは広範囲を照らす「住宅地配光」、時速40〜80kmでは「通常配光」、時速80km以上では遠方に光を集中させる「高速配光」になる。LEDアレイ内の各LEDに印加する電流を制御することで実現している。
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