トヨタが駐車時の自動ブレーキを誤操作以外でも実現、超音波センサーを大幅改良:安全システム(1/3 ページ)
トヨタ自動車は、駐車を行う際に用いる運転支援システムの機能を強化し、2015年に発売する新型車に搭載すると発表した。従来はペダルの踏み間違いといった明らかな誤操作の際に行っていた自動ブレーキを超音波センサーを増設/改良するなどして、駐車のための低速移動の間はいつでも利用できるようにした。
トヨタ自動車は2014年11月20日、駐車を行う際に用いる運転支援システムの機能を強化し、2015年に発売する新型車に搭載すると発表した。
今回機能を強化した運転支援システムは、「インテリジェントクリアランスソナー(ICS)」、「インテリジェントパーキングアシスト(IPA)」、「パノラミックビューモニター」の3つである。
ICSは、バンパー内に組み込んだ超音波センサー(クリアランスソナー)で自車の進行方向に壁などの障害物を検知した場合、警報でドライバーに知らせたり、状況に応じてエンジンやモーターの出力を制御し、衝突の可能性が高い場合には自動的にブレーキをかけるシステムである。しかし現行のICSの自動ブレーキは、ブレーキとアクセルのペダル踏み間違いやアクセルペダルの踏み過ぎといった明らかなペダルの誤操作による衝突被害を低減するためのものだった。
今回の機能強化でICSは、超音波センサーの増設と検知距離の延伸による障害物の検出範囲拡大と、制御ソフトウェアの改良が行われた。従来のICSでは、バンパーの車両中央部に近い箇所に設置した前後それぞれ2個の超音波センサーを使用していた。今回の機能強化では、バンパーの左右端部に近い箇所にも超音波センサーを増設。超音波センサーの搭載数は前後で4個ずつ、合計8個になった。超音波センサーの検知距離も3mから6mと倍増している。
これにより、駐車時や車庫入れなどで低速移動している際に、ペダルの誤操作がなくても隣接車両や障害物との衝突を回避したり、衝突によるや被害を軽減したりできる自動ブレーキが可能になった。
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