図研が電気CADやPLMを組み合わせて展開、複雑化する課題にソリューションで対応:ZUKEN Innovation World 2014(2/2 ページ)
図研は2014年10月16〜17日、横浜でプライベートイベント「ZUKEN Innovation World 2014」を開催。図研 常務取締役 EDA事業部長を務める仮屋和浩氏が同社の事業戦略や製品ロードマップについて講演を行った。
海外ベンダーとの提携で、グローバル展開を推進
図研は2013年9月に、米国カリフォルニア州のシリコンバレー地区に「図研創造センター」を開設し、海外のベンダーなどとの提携を進めている。仮屋氏は図研のこうした取り組みの成果として、2014年10月12日から、Intel(インテル)の「Atom E3800 シリーズ」のリファレンスボードのデザインデータがCR-8000 Design ForceのCADフォーマットで入手可能になった例を紹介した。
こうした海外ベンダーとの提携について仮屋氏は「現在一部の製品は、インテルやQualcomm、NVIDIAなどの製品と組み合わせてプラモデルのように作ることができる時代になった。設計のリファレンスデータが図研のCADフォーマットに対応していなければ、こうした動きをサポートすることができない。そのために図研は海外ベンダーに積極的に働きかけている。先ほど紹介したインテルの例のように、地道ながら結果が出てきている」と語った。
ツールではなく“ソリューション”を提供
次に仮屋氏は、図研が提供する電子機器向け設計情報管理システム「DS-2」と「DS-2 Expresso(以下、Expresso)」のロードマップについて説明した。2013年9月に発表したExpressoについては「中・小規模ユーザーでも大規模ユーザー並みのITインフラを構築できるように、DS-2のコアをベースにパッケージ化した製品。現在複数の導入実績が出ている。図研はこれまで、DS-2にCR-8000を引き込んでプロジェクト管理のナビゲーションデータを集めていたが、全てカスタム開発だった。Expressoや新しいサービスを提供することで、より多くのユーザーにIT技術を活用していただきたいと考えている」と語った。
また、仮屋氏は「DS-2やCR-8000などをリリースしたことで、ツールは出そろった。しかし、図研は今後、要件設定、システム設計、検証、製造という一連の流れの中にあるユーザーの課題に対して、ツール単体ではなく、ツールを組み合わせるなどしたソリューションとして提示していきたい」と説明した。
今後はバージョンフリーが標準に
仮屋氏は「これまで、各ツールのバージョンの互換性の問題が、新しい環境を構築するためのボトルネックとなっていた。そういった課題を解決するため、2013年のZUKEN Innovation Worldで、CR-5000/8000、DS-2についてバージョンフリーを実現すると話したが、現在その環境がほぼ整いつつある」と説明した。
また、今後の製品リリースの予定については「CR-8000については年2回のペースで、CR-5000と連動させながらのバージョンアップを検討している」とした。また、DS-2とExpressoは、今後年1回のリリースサイクルにしていくとしている。
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