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図研が電気CADやPLMを組み合わせて展開、複雑化する課題にソリューションで対応ZUKEN Innovation World 2014(1/2 ページ)

図研は2014年10月16〜17日、横浜でプライベートイベント「ZUKEN Innovation World 2014」を開催。図研 常務取締役 EDA事業部長を務める仮屋和浩氏が同社の事業戦略や製品ロードマップについて講演を行った。

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 電子機器設計用ツールの大手ベンダーである図研は2014年10月16〜17日、横浜でプライベートイベント「ZUKEN Innovation World 2014」を開催した。17日冒頭の講演において、図研 常務取締役 EDA事業部長を務める仮屋和浩氏が同社の事業戦略や製品ロードマップについて説明した。


複雑化する設計内容に対応


図研 常務取締役 EDA事業部長の仮屋和浩氏

 仮屋氏は、「製品の高機能化が進み、これまで1枚の基板で動いていた製品に複数枚の基板が搭載されるようになった。このため、設計内容はより複雑になっている」と語る。例えば自動車の場合、ECU(電子制御ユニット)単体のことだけを考えて設計するのではなく、複数のECUが連携して動作するさまざまな機能を見据えて設計を行う必要がある。つまり、基板1枚を設計する際には、システム全体を考慮しなくてはならない。「図研はこうした複雑化する設計内容に対して、設計から検証、改善までを行える環境の構築を支援していく」(同氏)という。

図研が提供する電気CAD/PLMツールの方向性(クリックで拡大)出典:図研

 また、仮屋氏は電気CADのような設計ツールを取り巻くインフラについても、機構設計と制御設計を同時並行で行うなど複雑化が進んでおり「設計を行うエンジニアにとって非常に分かりにくいくい」状況になっていると説明。さらに、図研はこうした課題を解決するために、「テクノロジーとインフラの2つの視点に基づいて、設計プロセスの把握や、プロジェクトの管理に加えて設計・製造のテクノロジーをライブラリ化するような製品の開発を進めている」と語った。

「全体を見ないと良いモノは作れない」

 仮屋氏は図研の電気CAD「CR-8000」シリーズのロードマップについて「先端技術」、「協調設計」、「グローバル展開」の3つのキーワードを挙げた。先端技術の部分については、「これまでの図研の電気CADは、大規模基板の設計に弱いとされていたが、CR-8000では100層を超えるようなものにも対応できる。また、PoP(Package on Package)のようなモジュール型の設計など、実装の先端技術にも対応している」と説明した。

「CR-8000」のロードマップにおける「協調設計」と「先端技術」の概要(クリックで拡大)出典:図研

 CR-8000ではプリント基板設計ツール「Design Force」などを用いて、回路設計を終えたあとでも、複数の基板構造を持ったまま設計を続けることができる。また、複数の構造物を同時に設計できるため、パッケージがプリント基板に乗った状態で解析が行える点など、協調設計に最適な環境であることが説明された。

 さらに仮屋氏は、CR-8000では、オプションとしてシリコンインターポーザや半導体そのもののデータベースをサポートしている点や、半導体の引き出し配線の設計を、パッケージやプリント基板と同時に行える点などを説明。また、こうした図研の協調設計に対する取り組みついて「ロジック、フィジカル、インタフェース、モジュールなど、それぞれの設計が分業になっていては良いモノは作れない。実際、米国のベンダーは設計から製造までを全て1つのプロジェクトとして取り組んでいる。こうした図研の協調設計への取り組みは、分業するだけでなく全体を見ないと良いモノは作れないというメッセージでもある」と語った。


「CR-8000」と「CR-5000」の関係性(クリックで拡大)出典:図研

 また、仮屋氏は今後も先代の「CR-5000」のメンテナンスも継続する方針を示した。「CR-8000は、複雑な基板の設計に対して有効なツールだが、シングルモードであれば、CR-5000でも十分に対応できる。CR-5000の中にCR-8000の機能を取り込みながら使っていただければいいと考えている」(仮屋氏)。

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