日立が産環協のLCA支援システムとの連携APIを公開――環境影響評価を効率化:製造ITニュース
企業などがより簡単に「MiLCA」と連携できる機能をAPIとして共同開発。これにより、自社のシステム上でMiLCAの算定手法をシームレスに活用でき、社内の環境影響評価の運用・開発工数が大幅に削減できる。
日立製作所は2014年10月1日、産業環境管理協会(以下、産環協)と共同で、産環協のLCA(ライフサイクルアセスメント)支援システム「MiLCA」(ミルカ)と企業などの社内向け環境影響評価システムとの連携を強化する機能を開発し、産環協のWebサイトから無償提供を開始した。
MiLCAは、産環協が2010年12月に開発したLCA支援システム。製品の原材料調達から廃棄・リサイクルまで、ライフサイクルの各段階における環境への影響評価を総合的に支援するもので、国内の電機・自動車メーカーなど300以上の企業・研究機関などに利用されている。
今回、両社では、企業などがより簡単にMiLCAと連携できる機能をAPI(Application Program Interface)として共同開発。従来MiLCAの利用には、専用のユーザーインタフェースが必要だったが、社内向け環境影響評価システムのユーザーインタフェースを変更せずに、データ連携が可能となった。PCごとにソフトウェアをインストールする必要もなく、自社のシステム上でMiLCAの算定手法をシームレスに活用できるため、社内の環境影響評価の運用・開発工数が大幅に削減できる。
また、MiLCA搭載のさまざまな算定手法の中から、目的に応じた手法が選択できるため、より精度の高い環境影響評価が可能となった。データの送受信では、一般的なプロトコルを採用することで、多くのシステムとのMiLCA連携ができる。
さらに、欧州委員会の環境フットプリントの試行事業で採用されている算定手法を搭載したことで、より幅広い環境影響評価が可能となった。
なお、日立製作所では、国内外で初めて、新機能を搭載した社内向け環境影響評価システムを開発し、2014年10月1日から社内カンパニーである情報・通信システム社の約20事業部門とグループ会社に正式に導入を開始する。
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