“革新”を「天才が生む」と考える日本、「組織で生み出す」と考える世界:モノづくり最前線レポート(3/3 ページ)
日本GEは、日本の産業のさらなる成長に向けた提言を行う「“Japan is Back”フォーラム」を開催。今回はテーマを「イノベーション」とし、GEグループが世界26カ国の経営者3200人に対して実施しているイノベーションに対する調査「GEグローバルイノベーション・バロメーター」の結果を基に、日本と世界のイノベーションに対する取り組みの違いなどを紹介した。
高い日本のイノベーションへの期待
これらの日本の特殊な現状の一方で、世界から日本への「イノベーションの期待」は高い。
2014年版GEグローバルイノベーション・バロメーターにおける「イノベーションをけん引する国」に対する回答では、日本は米国、ドイツに次いで3位に入っている。さらに「革新的な製品を生み出す環境の評価」についても、日本は米国、ドイツに次いで3位となっており、世界からは革新的な製品を生み出す環境が整っていると見られていることが分かる。
「世界各国の企業は、日本が革新的な製品を生み出す力があり、また環境も整っていると見ている。ただ、現状は個人頼みで十分な財務的な支援もなく、降って来るのを待つ“神頼み”的なやり方になっている。しかし、既にイノベーションを組織的に生み出す手法の研究は数多くの学術機関で進んでおり、世界ではそれらの研究成果を生かす方向に動き始めている。これらの世界からの期待に応えるためにもイノベーションに関連する部門の担当者は、組織内で体系的にイノベーションを生み出す方策を考えるべきだ」と米倉氏は提言する。
イノベーションを組織でどう起こすのか――「イノベーション」コーナーへ
イノベーションを生む方法論とは?
グローバル化により変化と競争が激化する中、製造業には自ら新しい価値を生み出すイノベーションを持続的に生み出すことが求められています。既存の価値観を破壊する「イノベーション」を組織として生み出すにはどうすればいいのでしょうか。「イノベーションのレシピ」特集では、成功企業や識者による事例を紹介しています。併せてご覧ください。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- その製品が売れないのは「良くないから」だ――一橋大学米倉教授
日本の製造業の競争力低下に対する危機感が叫ばれているが、競争力を生み出すイノベーション創出にはどのように取り組むべきだろうか。イノベーション研究の第一人者である一橋大学イノベーション研究センター教授の米倉誠一郎氏に聞いた - GEが100年にわたりイノベーションを生み続けられる秘訣とは
1892年の創立から100年以上もグローバルのトップ企業として存在感を発揮するGE。主要業務分野を変えながらイノベーションを続けるその秘訣には何があるのだろうか。GEのグローバルリサーチセンター日本代表を務める浅倉眞司氏に、GEのイノベーションへのアプローチと現在重視する技術の方向性について話を聞いた。 - 日本よ これが世界だ! GEとローカルモーターズが新たなモノづくり基盤を始動
米国GEは、オープンコミュニティによりモノづくりを行う米国ローカルモーターズと提携し、新たなモノづくりプラットフォーム「FirstBuild」を立ち上げた。同プラットフォームにより、アイデアやモノづくりのノウハウ、各種リソースを持つ人々によるコミュニティを形成し、オープンコミュニティ上でのモノづくりを行う計画だ。第一弾は「インドアバーベキューセット」をテーマとし、2014年内の販売を目指す。 - GEが日本にオープンイノベーション拠点を設立――技術連携のための公募も開始
日本GEは、同社本社内にオープンイノベーション拠点として「GE センター・フォー・グローバル・イノベーション」を開設した。日本の企業や大学、官公庁との技術連携を積極的に進めていく方針だ。同時に協業を視野に入れた「技術公募」も開始し、日本企業との連携強化に取り組む。