日本よ これが世界だ! GEとローカルモーターズが新たなモノづくり基盤を始動:製造マネジメントニュース
米国GEは、オープンコミュニティによりモノづくりを行う米国ローカルモーターズと提携し、新たなモノづくりプラットフォーム「FirstBuild」を立ち上げた。同プラットフォームにより、アイデアやモノづくりのノウハウ、各種リソースを持つ人々によるコミュニティを形成し、オープンコミュニティ上でのモノづくりを行う計画だ。第一弾は「インドアバーベキューセット」をテーマとし、2014年内の販売を目指す。
メーカーが「製品を企画し、設計し、製造して、販売する」というモノづくりの仕組みが変わる時代になったのかもしれない――。米国GEは2014年3月13日(現地時間)、オープンコミュニティを利用してモノづくりを行う米国Local Motors(ローカルモーターズ)と提携し、新たなモノづくりプラットフォーム「FirstBuild」(Webサイト)を立ち上げることを発表した。
ローカルモーターズは、オンラインでのコミュニティにより、デザイン開発やハードウェア共創を行うことで注目を集めている革新的企業だ。低コストで専門性の高いツールや効率的な小規模生産モデル、市場進出戦略などを開発してきた。コミュニティにより作り上げられた自動車「The Forge」や「Rally Fighter」は、そのモノづくりの手法とともに革新的なデザインや品質などからも高い評価を受けている(関連記事:SNSのコミュニティーでわいわい自動車開発する)。
GEはローカルモーターズとの提携により、ローカルモーターズが持つオープンコミュニティでのモノづくりのノウハウを生かした新たなモノづくりプラットフォーム「FirstBuild」を立ち上げる。同Webサイトによりコミュニティを形成し、そこにGEがテーマを出すことで、製品アイデアや設計方法、製造方法、販売方法などを募り、実際にコミュニティ上でモノづくりを行う。
コミュニティには、製品開発に関心があるエンジニアや科学者、設計者、製造者らの参加を呼び掛ける。現状ではクラウドファンディングなど資本に関連するサービスは行わず純粋にモノづくりに特化したプラットフォームを目指しているという。
最初のテーマは「屋内用バーベキュー器具」
FirstBuildは2014年夏頃に正式にサービスを開始する予定だが、既に登録は可能な状況となっている。成果となる製品については当面は米国内での販売を想定しているが、コミュニティへの登録は日本からも可能だという。コミュニティによって生み出された優れたアイデアについては、コミュニティ、GE、ローカルモーターズで構成された評議会での決定により、マイクロファクトリー(小規模工場)での生産を行い、実際の販売へと進んでいく。
オープンソースコミュニティでのモノづくりは従来にないスピード感が特徴となっている。2014年3月中には「屋内用バーベキュー器具」というテーマで最初のプロジェクトがコミュニティ内に立ち上がる予定だという。同年4〜5月には試作品を製作したテストが行われ、2014年内には実製品を販売する予定だという。今後調理家電分野を中心に性能を向上させるようなアイデアを五月雨式に募集していくという。
GEでは「モノづくりをオープンソースで行うというローカルモーターズのビジネスモデルは製造業の仕組みそのものを変える可能性がある。その仕組みを実現することで、完全な顧客主体のモノづくりという形が可能になる」(日本GE広報)と新プラットフォームでのモノづくりに期待を寄せている。
新たな製造業のカタチ
GEでは、2013年にオープンコミュニティを生かした製品作りを進める米国のベンチャー企業QuirkyにGEが持つ家電製品の特許を開放することで、新たな共同ブランド「Wink」を立ち上げるなど、革新的なモノづくり手法の模索に積極的に取り組んでいる(関連記事:GEが100年にわたりイノベーションを生み続けられる秘訣とは)。今回の提携により、さらにオープンソースによるモノづくりを広げ、新たな製造業の形を作り上げていく方針だ。
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