「Kinect v2」はここがスゴい!新旧比較とKinectによるNUI開発の最前線:Kinectしようぜ(2/2 ページ)
「Kinect for Windows v2センサー」のオープンβ販売開始から2カ月が過ぎ、開発者の知見も集まりつつある。東京エレクトロンデバイスが主催したセミナーより、既存モデルとの違いやNUIアプリ開発に際しての留意点などを紹介する。
「キーボードとマウスから離れること」
Kinectの新バージョン登場に伴い、NUIの導入を検討するケースも増えたと思われるが、本セミナーで講演した日本マイクロソフトの鵜木健栄氏は「キーボートとマウス(の代替)から離れて欲しい」と基本的な考え方を示した。
NUIの特徴は「身ひとつで足りる(直感的かつ衛生的である)」「ヒトの言語に関する役立つ情報の収集が可能」「従来のUIとは根本的に異なる(ヒトの行動を先読みする)」ことであり、コンピュータとヒトの“対話”方法について、CUIやGUIの観点を捨て、根本から考え直した方が良いのだという。
コンピュータとヒトが“対話”をする際、コンピュータが「ヒトが何をしようとしているか」を推測し、そのヒトが「何を求めているか」をコンピュータが実現して初めて対話が成立する。第一歩となる“推測”に、高精度化したv2のセンサーが有効な手段になるとした。
前述した通り、v2はセンサー解像度向上や骨格検出数の増加、ヒトの状態推測までも行えるようになっており、眼前のヒトが何をしようとしているかを“察知する”ための機能を多く用意している。ただ、高性能化したとはいえ、まだ“察知”の確率が上がったに過ぎず、どのように得られる情報を生かしてNUIとしてアプリケーションに実装するかの知見は不足している。
そこで鵜木氏はNUIアプリケーション開発に関して、「見るのではなく観る(観察する)」「インタフェースの一新」「必要/不必要な情報の区別」を念頭に置きながら進めていくことを推奨した。
Kinect for Windows V2およびSDKはまだオープンβの状態であり、アプリケーションとしての実装例は少ない。ただ、既存モデルで得られた知見を生かしての開発に取り組んでいる企業や開発者は存在している。セミナー会場には、身ぶり手ぶりでアバターを動かして書道をする「エアー書道・奏<KANADE>」(システムフレンド)や、同じく身ぶり手ぶりでレゴマインドストームEV3を無線操縦する「KinebrickEV3」(初音玲氏)や、Kinect for Windows v2との組み合わせに適したWindows embedded PCが多数展示されており、参加者の関心を集めていた。
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