オムロン、環境発電型小型電源モジュールを開発――生産現場のIoT活用に期待:FAニュース
オムロンのエレクトレット振動発電デバイスとimecのパワーマネジメントIC技術を組み合わせて開発。微小な環境振動エネルギーから高効率に発電し、直流電源化する。5cm×6cm、15.4gと小型・軽量で、出力電圧を1.5V〜5Vの範囲で設定できる。
オムロンは2014年7月23日、Stichting IMEC Nederland(以下、imec)と共同で、超高効率の環境発電型小型電源モジュールを開発したと発表した。微小な環境振動エネルギーから発電し、直流電源化するもので「世界最高効率」(同社)だという。
近年、産業分野では、各種データを収集できる自立型ワイヤレスセンサーが注目を集めている。その電源としては、生産現場で発生する環境振動を利用した電力が理想的とされているが、多様で変動も起こるため、これまで安定的な直流電源として活用できなかったという。また、振動発電型電源モジュールは、大きくて重いという問題もあった。
今回発表された小型電源モジュールは、オムロンのエレクトレット振動発電デバイスとimecのパワーマネジメントIC技術を組み合わせて開発。μWレンジの振動エネルギーをセンサーの駆動電圧に変換し、充電できるようにした。サイズは5cm×6cm、重さは15.4gと小型・軽量で、出力電圧を1.5V〜5Vの範囲で設定できるため、産業分野から消費財分野まで幅広く利用できる。
また、電源ケーブルの引き回しや電池交換が不要で、アクセスが難しい場所でのセンサー用電源として使うことも可能。また、設備管理や故障検知システムなどの産業向けセンサーネットワークにも利用できる。
現在オムロンでは、加速度センサーや温度センサーなどの電源として、一部の顧客やセンサーメーカーなどに本製品を提供し、経年変化による設備の故障や部品破損を監視・診断するための実験を行っている。
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