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車載Linuxのオープンソース活動は携帯電話機の轍を踏んではならない車載情報機器(2/2 ページ)

「Automotive Linux Summit 2014」の2日目の基調講演には、パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社のインフォテインメント事業部で技術担当(CTO)を務める水山正重氏が登壇。水山氏が、「オープンソース活動では、議論だけに時間を費やすべきではない。開発成果を実装する必要がある」と語る背景には、携帯電話機の開発を担当していた際の経験があった。

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“終わらない議論”の間に何が起こったのか

 水山氏がスピードが重要と説くのは、自身の経験によるところが大きい。

 水山氏がAIS社に異動したのは2013年4月のことである。それまでは携帯電話機の開発に携わっていた。パナソニックの携帯電話機事業と言えば、直近では2013年9月に個人向けスマートフォンから撤退したイメージが強いかもしれないが、フィーチャフォンが製品の中核だった2000年代は国内トップクラスを誇るなど有力メーカーとして知られていた。

 そのパナソニックが参加して2007年に結成されたのが、携帯電話機向けLinuxプラットフォームの開発団体であるLiMo Foundationだ。Linuxベースの携帯電話機の開発を担当していた水山氏は、携帯電話機に必要なLinuxプラットフォームのエコシステムを1社で開発するのは難しいと感じていた。そこで、オープンソースによる共同開発に活路をみい出し、LiMo Foundationの結成に尽力したのである。

左の図は、携帯電話機のソフトウェア規模の増大傾向を示している。OSもμITRONなどのリアルタイムOSからLinux、そしてAndroidに移り変わって行った。右の図は、携帯電話機向けLinuxプラットフォーム開発団体の推移である。LiMo Foundationの他にも、MeeGoなどがあったが、最終的にはTizenに統合された。このTizenは、AGLのリファレンスプラットフォームである「Tizen IVI」を開発している(クリックで拡大) 出典:パナソニック

 しかし水山氏は、「携帯電話機向けLinuxプラットフォームのオープンソースプロジェクトでは、要件やアーキテクチャについての議論で意見が一致せず、結局は開発成果を実装するところまで行かなかった。そして、その“終わらない議論”の間に起こったのが、iPhoneとAndroidスマートフォンの台頭だった」と話す。

 結成の経緯を見れば、LiMo FoundationもAGLも目指すところはほぼ変わらない。だからこそ水山氏は、「オープンソース活動では、議論だけに時間を費やすべきではない。開発成果を実装する必要がある」と主張するのだ。

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