充電インフラの整備には「BMW i8」みたいなカッコいい電気自動車が必要!:今井優杏のエコカー☆進化論(11)(2/4 ページ)
米国の西海岸で開催されたBMWのプラグインハイブリッド車「i8」の国際試乗会に参加した筆者。i8のスポーツカーとしてのデザイン性や性能以外に実感したこととは?
「i8」の“シザードア”は目立ちまくり&軽い!
まずBMW iシリーズとはどんなモノなのかのおさらいですが、これは以前当連載にも2回にわたって書いていますので、技術的な部分は過去記事をご参照いただきたいと思います。
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⇒ | BMWの「i8」はスポーツクーペの出来杉クン? EVだけどしっかりBMWしてる「i3」 |
⇒ | BMWの「i3」は電気自動車だからエコってわけじゃない、作り方までエコだった! |
簡単に紹介すると、BMW iシリーズは“サスティナビリティ(持続可能性)”を至上命題に掲げて開発されたBMWの新しいラインアップです(ここで言うサスティナビリティとは、もちろん自動車社会全体のことを指し、BMWの企業としての純利益などを指すわけではありませんが、世界中でますますシビアになるCO2排出規制に向けて、BMWがプレミアムセグメントとしてのイメージリーダー、パイオニアとなろうとしているのは想像に難くありません)。
これまでのように内燃機関に頼るモビリティではなく、主に都市部でのCO2排出をゼロにできるシティコミュータを提案していて、現在は2モデルの存在が明らかになっています。
その1つが既に日本でも出荷が始まったばかりの第1弾・ピュアEV(電気自動車)のi3。独創的なフォルムやワクワクさせる“踏み感”など、これまで真面目一辺倒なイメージだった電気自動車の存在感を一段引き上げるようなポジションを築いていると感じます。
そしてもう1つがこれからお話しするi8です。
こちらはエンジンとモーターの両方の力を使って走行できるPHEV。
iシリーズのフィロソフィ通り、サスティナビリティ精神にのっとってかなりエコに作られているっていうのは全く同じなのに、まんま“シティコミュータ”のイメージそのままでコロンとまん丸いi3のイメージとは真逆の、シュっとスマートでエッジィなスポーツクーペ。一応、前席に2人、後席に2人が乗車可能な2+2スタイルを採用していますが、世の多くのスポーツクーペがそうであるように、後部座席はほとんど荷物置きの役目しか果たさないほどのタイトさにスポーツカーとしてのやる気を感じます。
スタイルを決定づけるのは上方に跳ね上げるタイプのドア! “シザードア”と名付けられたそれは、羽を広げたように開口しちゃうモンだから、超目立ちまくり! その姿は“本気(マジ)スーパースポーツカー”以外何者でもない!
しかし、意外なところでi(愛?)を感じることも。iシリーズはボディにCFRP(炭素繊維強化樹脂)を多用しており、もちろんこのi8も例外ではありません。このシザードア自体も驚くほど軽いのです。
PHEVですので、i8の床下にはバッテリーパックが搭載されています。フットボックスはかつての日産「シルビアS15型」かと錯覚するほど浅いのですが(マニアックなたとえですみません・汗)、そのコクピットに座っていても軽〜く片手で開閉できます(1回乗ったら分かりますが、ドアのヒンジにダンパーが仕込んであるとかではなく、ドア自体が本当に軽くてビックリ)。このように、乗り込まなければ分からない先進感は、そこここにちりばめられていました。
i8のパワートレインは、同社が独自に開発したプラグインハイブリッドシステムです。
フロントには最高出力131ps(96kW)を発生させるモーターを2段式AT(自動変速機)で前輪に、リヤには新開発の最高出力231ps(170kW)の排気量1.5l(リットル)3気筒ツインターボエンジンを搭載し6速AT経由で後輪に伝達。2つの動力を組み合わせて走行する独自の四輪駆動システムです。
システム最大出力はなんと362ps(266kW)で、最大トルクは570Nm!! 電気モーターの出力でびゅん! と飛び出しますから、同じ出力の内燃機関車両よりも体感速度はすさまじい。
試乗の舞台となったサンタモニカは西海岸を代表するオシャレタウンですが、マリブビーチにつながる“いわゆる西海岸”的風景から一転、意外にも山側にはいろは坂もビックリな峠道が連続するエリアが存在します。
息もつかせぬコーナーの連続を駆け抜けて行くのも、どないなっとんねん! というくらい速いです。数値でいえば時速0〜100km加速が4.4秒……。この魅力というか魔力に取りつかれたら、あっという間に免許をなくしてしまいそう(涙)。それくらい圧倒的。快感っていうよりちょっと末恐ろしい感じ? の加速感でした。
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