「MRJ」の生産拠点として、名古屋空港隣接地を三菱重工が取得:工場ニュース
愛知県は、県営名古屋空港隣接県有地の事業予定者として三菱重工を選定し、売却に向けた手続きを実施することを決めた。同用地では、約50年ぶりに日本で開発される航空機である「三菱リージョナルジェット(MRJ)」の量産を行う予定だという。
愛知県は2014年5月12日、県営名古屋空港隣接県有地の事業予定者として三菱重工業を選定し、売却に向けた手続きを実施していくことを決めた。
同地区は「アジアナンバーワン航空宇宙産業クラスタ形成特区」の中核プロジェクトとして、愛知県が航空機の生産・整備拠点の誘致を図っていたもの。同地区活用の事業提案として、三菱重工業1社のみから応募があり、外部有識者で構成される選定委員会における審査の結果、同社を事業予定者として選定した。最終的な売却は、愛知県議会の議決など、所要の手続きの後実施されるという。
同地区では、約50年ぶりの国内開発の航空機として注目を集める「三菱リージョナルジェット(MRJ)」の量産を行うという。MRJは、三菱重工業の子会社である三菱航空機が開発する70〜90席クラスの次世代民間旅客機。初飛行予定が2015年第2四半期、初号機納入予定が2017年第2四半期に予定されている。
新たな生産工場の設備投資額は建物、設備込みで200億円規模だとし、年間生産額は2017年度で240億円規模、最大で1100億円規模になるという。また雇用者数は300〜500人規模になるとしている。
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