新型スーパーカー「650S」が示すマクラーレンの開発力:マクラーレン・オートモーティブ CTO インタビュー(2/2 ページ)
McLaren Automotive(マクラーレン・オートモーティブ)が、新型スーパーカー「650S」を国内で初披露した。ドライバビリティを向上する「シリンダーカット」や「イナーシャプッシュ」などの新機能の採用に加えて、約1年半で開発を完了した点も注目に値する。会見の内容と、同社CTOのカルロ・デラ・カーサ氏へのインタビューをお送りしよう。
「650S」は1年半で開発を完了
会見後に、カーサ氏にインタビューすることができた。その内容をQ&A形式で紹介しよう。
MONOist 650Sの開発期間は。
カーサ氏 一般的に、新型車の開発には最低でも36カ月はかかると言われている。しかし650Sは、16〜18カ月で開発を完了することができた。
MONOist 12CやP1よりも圧倒的に開発期間が短いのはなぜか。
カーサ氏 P1の先進技術を取り入れることにより開発期間を短縮することができた。12Cの場合、設計を始めた2006年から発売する2011年まで約5年掛かっている。これはマクラーレン・オートモーティブという自動車メーカーにとって、開発体制を構築するだけでなく、販売網を整備するなどの企業の立ち上げ作業に掛かった時間も含まれていると考えてほしい。次のP1は、設計開始から発売までに3〜4年ほどかかった。
しかし当社は、12C、P1の開発を経て、他のスーパーカーメーカーに比肩しうる開発体制を築き上げた。その証拠となるのが、約1年半で開発を完了した650Sだ。エンジンや車体のカーボンファイバーをはじめ、さまざまな部品の開発ロードマップも用意しており、今後の車両開発に役立てられるだろう。
MONOist 650Sは、12CのエンジンM838Tを改良して搭載したが、今後投入する新型車向けにエンジンを新たに開発する計画はあるか。
カーサ氏 事業戦略の根幹に関わることなので詳細は話せない。しかし、M838Tが、ポート噴射方式であるため幾つかの制限はあるものの、2013年の「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど、優れたエンジンとして評価されていることは確かだ。
MONOist 650Sには、P1のハイブリッドシステムを搭載しなかったが、今後の新型車に採用する可能性はあるか。
カーサ氏 P1のハイブリッドシステムは高コストであることが最大の課題だと考えている。コスト削減は必要だが、P1の開発を経てハイブリッドシステムに関する知見は蓄えられているので、今後の新型車開発に生かせるだろう。ただし、当社が新型車を開発する上で重視しているのは、単にハイブリッドシステムを搭載することではない。顧客に対して、いかに驚きと喜びを与えられるかだ。
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