モノのインターネットを実現するクラウドプラットフォーム「dalchymia」:オープンテクノロジーを積極活用(2/2 ページ)
ユビキタスは、モノのインターネット(IoT:Internet of Things)の実現を支援するデバイス&データ管理プラットフォーム「dalchymia(ダルキュミア)」の提供を開始。組み込み技術とクラウド技術を組み合わせたソリューションにより、IoTおよびM2M(Machine to Machine)市場に向けた事業展開を強化する。
dalchymiaのシステム概要
まず、肝となるのが最下層に位置する「Device Communication Interface」である。これはデバイスをdalchymiaに接続するためのインタフェースを提供するもので、独自に定義したプロトコルに加え、「REST」「MQTT」「IEEE1888」を標準サポートする。「メインになるのは、おそらくRESTとMQTTだろう。これらは取り扱うデータの粒度やスピードの違いで使い分けてもらうことになる」(同社)。
真ん中に位置する「Device Cloud Sevice Core」は文字通り、dalchymiaの核(コア)に当たり、データを抽象化してストアしたり、それを取り出して渡したりといった中心的な役割を担う。Device Cloud Sevice Coreで処理されたデータをストアするためのデータベース(DB)が「Data Store」。そして、dalchymiaにつながるデバイスやユーザーを管理する機能を担う「System Service」がある。
「これらのセットにより、接続されたデバイスがどういう種類で、それを誰が使えて、どこへデータを渡せるかなど、全てコントロールすることができる」(同社)という。上位層では、REST APIs、MQTTが使える他、通常のWeb APIセットもサポート。これにより、ユーザーはdalchymiaを用いたアプリケーション/サービスを簡単に構築することができる。なお、dalchymiaはインフラとして「AWS(Amazon Web Service)」を採用している。
分野を選ばず活用可能なプラットフォーム
前述の特徴からも分かる通り、dalchymiaはターゲット分野を選ばない柔軟なプラットフォームとして設計されている。同社は、これまで先行して取り組んできたHEMSはもちろんのこと、自動車産業、製造業、流通業など今後IoTの活用が見込まれる多くの産業分野での展開を視野に入れている。
「dalchymiaは、30分に1回の頻度でデータを上げてくるものから、数ミリ秒に1回という高頻度でデータを上げてくるものまで、全て同じように取り扱うことができる。現在、自動車、エネルギー、パーソナルヘルスケアなどで取り組みが進んでいるが、これらを1つのプラットフォームでカバーすることが可能だ」(同社)。
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